政府は、使用済み太陽光パネルの増加に対応するため、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」を閣議決定し、第221回国会に提出する。2030年代後半以降に見込まれる大量廃棄に備え、リサイクルの義務化や処理体制の整備を進めるのが狙いだ。
政府の試算では、太陽光パネルの廃棄量は今後急増し、年間最大で約50万トンに達する見込み。これらをすべて埋立処分した場合、最終処分場の逼迫につながり、廃棄物処理全体に支障を来す恐れがある。
こうした課題を踏まえ、法案ではまず、環境相と経済産業相がリサイクル目標や施策の方向性を示す基本方針を策定する。これにより、国・自治体・事業者それぞれの役割を明確化し、計画的な資源循環を目指す。
柱となるのは、事業用太陽光発電設備の廃棄に関する規制だ。一定規模以上の太陽電池を廃棄する事業者には、リサイクルの実施に向けた取組を含む廃棄実施計画の事前届出を義務付ける。計画は提出後、原則30日間は実施できず、その間に内容が不十分と判断された場合は、国が変更を求めることができる仕組みとなる。さらに、製造・販売段階にも踏み込み、メーカーや販売業者に対しては、環境配慮設計や有害物質情報の提供を求める。廃棄時だけでなく、製品設計の段階からリサイクルしやすい仕組みを整える狙いがある。リサイクル事業者に対しては、国が認定した広域的な回収・リサイクル計画に対し、自治体ごとの廃棄物処理業許可を免除する特例を適用。あわせて保管基準の緩和も実施し、事業者のコスト負担軽減と処理の迅速化を後押しする。
現状では、リサイクル費用が埋立処分よりも高く、処理体制も十分に整っていない点が課題とされる。政府は、まず大規模廃棄を行う事業者から規制を段階的に強化し、将来的には対象範囲の拡大も検討するとしている。施行は公布から1年半以内を予定しており、再生可能エネルギーの普及に伴う廃棄問題への対応が本格化することになる。
【プレスリリース】「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が閣議決定されました
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【参照記事】太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案新旧対照条文
【参照記事】太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案 参照条文 目次
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