仏化粧品大手ロレアルは、次の10年間で生物多様性保全とサーキュラーエコノミー推進に向けて総額1億ユーロ(約115億円)を投資する方針を発表した。新型コロナウイルス感染症の流行という未曽有の事態に直面しても、持続可能な社会への移行を後退させるべきではないとしている。
同社の今回の方針は、新型コロナウイルス禍で影響を受ける脆弱な女性層へ5000万ユーロ(約58億円)を寄付する方針とともに発表された。
発表によると、総額1億ユーロのうち約5000万ユーロは、海洋ならびに森林の生態系保全のために新たに設立される基金に投資する。同基金では、100万ヘクタールの森林を再生することで、1500万-2000万トンのCO2を吸収することを目指している。
また、残りの約5000万ユーロについては、リサイクル率の向上と廃プラスチックの管理を中心に、サーキュラーエコノミーに基づいたビジネスモデルの構築に投資する。同社は、サステナビリティに関する新たなビジョンを6月下旬に発表する際に、さらに詳細を明らかにするとしている。
同社会長兼CEOのジャン-ポール・アゴン氏は次のように話す。「世界が必要としている持続可能な社会への移行の動きを後退させないようにしなければなりません。そのため、当社は環境や生物多様性、女性の社会的危機の緩和に対する責任を再確認しました」
ロレアルは、複数の多国籍企業とともにEU(欧州連合)に対して新型コロナウイルスの影響からの再生に際しては、環境に配慮したいわゆる「グリーンリカバリー」を行うべきだと主張。4月半ばには、ペプシやマイクロソフト、ボルボグループなどのグループに加わり、EUに対して大規模なグリーン投資を行うよう求めている。
【参照記事】L’Oréal announces the creation of its program L’Oréal for the future: €150 million to support vulnerable women and protect the environment
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