ベルギーに本拠を置くプリンティングソリューション提供のMaterialise(マテリアライズ)はこのほど、最大100%再利用された粉末を使用した3Dプリントサービス「Bluesint PA 12」を開始した。
Bluesint PA 12で造形されたパーツは粉末の消費を従来型より大幅削減することで、3Dプリントのより持続可能な選択肢を提供するとしている。Materialiseは「より良く、より健康的な世界を創造する」を使命に掲げており、2020年にBluesint PA 12を発表した。同材料は、一部顧客を対象としたベータプログラムを経ており、Materialiseは今後サービスを広く展開していく意向だ。
3Dプリント技術のなかで2番目に多く使用されているSLS(粉末焼結)では、粉末の最大70%がダウンサイクルされ廃棄されているとMaterialiseは認識している。Bluesintでは、廃棄物となった粉末を新しいパーツ造形用に再利用して3Dプリントにおける廃棄物を減らし、CO2排出量も削減することを同社は発表した。同社によると、標準的なPA 12の粉末1kgを製造する際に発生するCO2は7kg以上だが、Bluesint PA 12は新規材料製造を減らすことで粉末製造時のCO2排出量を約30%削減できる。世界中でSLSで造形されているパーツの半分の材料をPA 12からBluesint PA 12に変えた場合、平均的乗用車の1,100万km以上の走行に相当する年間2,800トン以上のCO2を削減できるとしている。
Materialise Manufacturingの副社長兼ゼネラルマネージャーであるJurgen Laudus 氏は、「Bluesint PA 12サービスは、機能的なプロトタイプの造形に広くご利用いただけるものと期待しています。一般的に、3Dプリントされたプロトタイプ品は検証段階でのみ使用されるため、寿命が短く製品開発プロセスにおいて、より持続可能なソリューションが必要とされています。Bluesint PA 12は最終製品に匹敵する機能的・機械的特性を持つプロトタイプを持続的に開発できます」と述べている。
Materialise
30年以上の3Dプリントの経験を有し、ヘルスケア・自動車・航空宇宙・芸術・デザイン・消費財など、さまざまな業界に革新的3Dプリントサービスとソフトウェアソリューションを提供している。世界中に支社を持ち、業界最大のソフトウェア開発者グループと世界最大級の3Dプリント施設を擁する。
【プレスリリース】
マテリアライズ、最大100%再利用可能な材料を使用した3Dプリントサービスを開始(PR TIMES)
Materialise Introduces 3D Printing Service Using up to 100% Re-used Powder(Materialise)
【参照サイト】Materialise
*冒頭の画像はBluesint PA 12を使用した3Dプリントパーツ(出典:Materialise)