株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(以下、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ)と三菱地所株式会社(以下、三菱地所)はこのほど、水草や生分解性ストローを堆肥化して栽培した野菜を使ったスープを開発し、ロイヤルパークホテルズの一部で提供を開始した。
今回の協働に至るまでの両社の取り組みは、以下のとおりである。
三菱地所グループ
- ヒシの堆肥化:三菱地所は2017年、環境省皇居外苑管理事務所と連携し、皇居外苑のお濠を中心とした水辺生態系の復元や、生物多様性保全を目指す取り組みを開始した。2019年より、同取り組みで刈り取った水草(ヒシ)を堆肥化し、この堆肥を用いて栽培された野菜を買い取り、三菱地所本社カフェテリアなどで提供している
- 生分解性樹脂「BioPBS™」:自然界の土中の微生物の力で水とCO2に分解される三菱ケミカルが開発した素材で、農業用マルチフィルム・使い捨て食器や紙コップ・ストローなどに使用されている。2020年より、八ヶ岳地域でBioPBS™製の紙コップ・ストローを堆肥に投入し、効果と有効性を実証するプロジェクトを実施している。2021年8月には、Jリーグサッカークラブのギラヴァンツ北九州と共同でBioPBS™を使用した紙コップを利用して、コンポストによる循環型システム実現に向けた実証試験を実施した
ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ
2021年8月より、運営する一部ホテルの飲食店などで使用するストローをBioPBS™製品に切り替え、三菱ケミカルの生分解性樹脂の堆肥化プロジェクトに参加している
こうした取り組みをもとに、ヒシを含む堆肥で栽培された玉ねぎと、生分解性樹脂の堆肥化プロジェクトで栽培されたトウモロコシを三菱地所グループが買い取り、ロイヤルパークホテルズがスープにして期間限定で提供する試みを両社は8月25日に開始した。加えて、ヒシを含む堆肥で栽培されたニンニクを横浜ロイヤルパークホテルの地下1階鉄板焼「よこはま」で8月25日~10月31日(なくなり次第終了予定)提供するとともに、一部ホテルでマルシェも開催する。
資源循環のイメージ図
同取り組みの実施概要は、下記である。
スープの提供
提供期間:2021年8月25日~10月31日(なくなり次第終了予定)
提供ホテルと詳細
- ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留(セットランチのスープとして提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 銀座8(セットランチのスープ・ウェルカムドリンクとして提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 名古屋(セットランチ・ディナーのスープとして提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 京都二条(朝食セット・朝食ブッフェの一品として提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 大阪北浜(朝食セット・朝食ブッフェの一品として提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 神戸三宮(朝食セット・朝食ブッフェの一品として提供)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 札幌大通公園(2021年10月1日開業予定。開業時のレセプションにてウェルカムドリンクとして提供)
マルシェの開催ホテルと開催日時
- ザ ロイヤルパークキャンバス 銀座8(9月18日、19日11:00~17:00)
- ザ ロイヤルパークキャンバス 神戸三宮(9月18日、19日10:00~17:00)
【プレスリリース】サステナブルな野菜を使ったスープをロイヤルパークホテルズで8月25日より提供開始
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*冒頭の画像は、スープの提供イメージ(ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留)。記事中の画像の出典:三菱地所株式会社、株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ
クリューガー量子
クリューガー量子(くりゅーがー りょうこ)ドイツ在住、ハイデルベルク市公認ガイド。土木工学を学び日本で土木技術者として働いた後、メキシコでスペイン語を習得、日西通訳として自動車関連企業で働く。2003年に渡独。専門分野:ドイツのサーキュラーエコノミー関連政策・企業動向、企業現地視察サポート、建設業界のサーキュラーエコノミー移行。個人ブログ:http://ameblo.jp/germanylife10/ 。(この人が書いた記事の一覧)