経済産業省は4月24日、産業構造審議会の容器包装リサイクルワーキンググループにおいて、ペットボトルのラベルレス化の拡大に関する検討状況を示した。リサイクル工程の手間やコストの削減、資源循環の効率化を目的に、従来のラベル付きボトルを前提とした仕組みの見直しも視野に入れる。

資料では、ペットボトルに貼付されるラベルが分別・除去の工程負荷を高め、コストや環境負荷の一因となっている点を指摘した。そのため、ラベルレス化を進めることで、消費者の分別の負担軽減や、リサイクル事業者における処理効率の向上が期待されるとしている。

一方で、ラベルは原材料名や内容量、リサイクル表示などの法定表示に加え、製品の識別やブランド訴求といった役割も担っており、単純に廃止することは難しい。現在、箱売りの場合において、外箱に1箇所以上にPETマー クと役割名を表示することで、個々のPETボトルのラベルレスが認められている。

資料では、こうした機能をどのように代替するかが課題として挙げられ、ボトル本体への直接印字や刻印、キャップへの表示、QRコードなどデジタル手段の活用といった選択肢が示された。

あわせて、これらの代替手段においては、店頭や使用時の視認性の確保や、分別表示の分かりやすさが課題となるほか、事業者ごとに対応が分かれた場合の混乱を避けるため、表示方法や仕様の標準化など、制度面と実務面の両面での整理が必要とされた。

ラベルレス化の進展は、ペットボトルの水平リサイクル(ボトルtoボトル)を含む高品質な資源循環にも寄与する可能性がある。従来、ラベルに由来する異物の混入が再生材の品質に影響を与える要因の一つとされてきたが、ラベルレス化によりこうした混入リスクの低減が期待され、品質安定化や用途拡大につながる可能性がある。

容器包装リサイクル制度では、飲料メーカーや容器製造事業者などの特定事業者に対し、使用済み容器包装のリサイクルにかかる費用負担が義務付けられている。この負担は、素材や重量、リサイクルのしやすさなどを踏まえて算定されており、制度の効率性や公平性を高める観点から、これまでも見直しが行われてきた。今回のラベルレス化の検討は、こうした制度の中でリサイクル工程の負荷を下げ、全体のコストや環境負荷を抑えるための具体的な方策の一つと位置づけられる。

【参照資料】資源有効利用促進法に基づくPET製容器のラベルレスの拡大について
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