ミシュランは5月21日、同社が運営するサステナブル素材実証拠点「Center for Sustainable Materials(CMD)」を通じて、フランスのディープテック企業Synteticaとナイロンリサイクル技術の産業化に向けて協業すると発表した。

両者は、Synteticaが開発した独自の低温化学リサイクル技術をCMDに導入し、工業規模での実証を通じて産業化を目指す。

今回の協業では、130年以上にわたり材料科学分野で培ったミシュランの知見と、Synteticaの化学リサイクル技術を組み合わせる。ミシュランは工業インフラや技術チーム、運転ノウハウを提供し、Synteticaは独自技術のスケールアップを図る。

リリースによると、世界の繊維産業では、現在リサイクルされる繊維製品は全体の1%未満にとどまっているという。特に複数の合成繊維を含む衣類や産業用繊維は、従来の手法では分別や再利用が難しく、大きな環境課題となっている。

Synteticaは、ナイロンを多く含む混合繊維を事前選別することなく直接処理し、高純度のナイロン6およびナイロン66へ再生できる独自の低温化学プロセスを開発した。再生されたナイロンは、繊維用途に加え、自動車や産業分野でも利用可能だ。

両社による実証プロジェクトでは、初期段階から数トン規模の繊維廃棄物を処理する計画で、2027年以降に予定する実証プラントに向けて段階的な能力拡大を進め、商業化を目指す。

今回の取り組みは、2025年からの繊維製品の分別回収義務化や、2027年以降の再生材利用に対する要求の高まりといった欧州の規制動向を背景としている。

Synteticaは、混合繊維から回収したナイロンをバージンナイロンと競争可能なコストで供給することを目指している。また、今回の実証を第一歩として、将来的にはナイロン以外の素材にも技術を展開する方針だ。

【プレスリリース】Syntetica and Michelin’s Center for Sustainable Materials announce an unprecedented collaboration to accelerate the industrialisation of a pioneering nylon recycling technology
【プレスリリース】Michelin Innovation Park – Cataroux · Center for Sustainable Materials
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※冒頭の画像はミシュラン社のプレスキットより使用