NGP日本自動車リサイクル事業協同組合(NGP)は9月6日、自動車リサイクル部品「リビルト部品」のCO2削減効果を算出し、同結果をNGPシステム(NGPが運営する自動車リユース部品在庫共有システム)に搭載したことを発表した。富山県立大学や明治大学との産学共同研究によって実現したこの成果は、スターター、オルタネーター、ACコンプレッサーといった主要リビルト部品3部品の環境負荷を定量化するものであり、カーボンニュートラル実現に向けた自動車産業のサーキュラーエコノミー転換への貢献が期待されている。

自動車リサイクル部品とは、使用済み自動車から取り外した部品を再利用する「リユース部品」と、分解・修理・再組み立てられた「リビルト部品」を指す。これらの部品は、新たな資源の投入量を抑えつつCO2削減効果が期待できる点で、サーキュラーエコノミーを推進する役割を担っている。

NGPは、自動車リサイクル部品の環境的付加価値を定量的に示し、環境保護に貢献するため、富山県立大学工学部機械システム工学科、森孝男名誉教授・山田周歩講師と、明治大学理工学部機械情報工学科、井上全人教授と「自動車リサイクル部品による環境負荷低減効果の研究」に取り組んできた。

これまで、主要売れ筋上位95%を占めるリユース部品のCO2削減効果は算出できていたが、リビルト部品については複雑な生産工程ゆえに算出が困難だった。しかし2018年より、提携リビルトメーカーであるプラスワン株式会社と、アライ技研株式会社の協力を得て、リビルト部品の生産工程におけるCO2排出量の調査を実施。その結果、主要リビルト部品3部品に対するCO2削減効果値を算出する予測式が確立され、削減効果を算出できるようになった。

今後、NGPの産学共同研究は、リサイクル部品の調査対象を増やすとともに、部品に利用される材料の変化にも対応し研究を続けていく方針。また部品だけでなく、自動車のライフサイクル全体でのCO2削減に貢献するため、製造から廃棄に至るまでのライフサイクルアセスメント(LCA)の研究に発展させていく。

【プレスリリース】自動車リサイクル部品でカーボンニュートラルの実現と サーキュラーエコノミーの推進  ~「NGP産学共同研究」リビルト部品のCO2削減効果値を算出~
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(※画像の出典:NGP日本自動車リサイクル事業協同組合)