株式会社ポックは1月23日、中小企業向けのサステナブル容器包装制作プラットフォーム「POC(ポック)」を開始したと発表した。加えて、同社は複数のエンジェル投資家から総額3300万円を資金調達した。

POCは、すべてのブランドや店舗にサステナブルかつ独自の容器包装を提供することを目指す。国内の50以上のサステナブル容器包装製造に取り組む工場と提携し、容器包装の構想から製造・納品までを一気通貫で支援する。今回、株式会社ポックが公表した内容は以下のとおり。

同社がPOCを開始した背景は、「サステナブルと経済性のトレードオフ」だ。環境配慮型の容器包装の提供に向けて、多くの大企業が取り組みを進める一方、中小企業は価格面から断念することが多い。オンラインでの簡単な容器包装制作の需要は増加しているものの、工場の探索は困難で時間がかかったり、多重請けや納期の長期化が生じたりといった課題もある。

POCが提供するサステナブル容器包装は、「リサイクル・アップサイクル素材」「脱プラ・減プラ素材」「認証素材」「生分解性素材」のいずれかを使用している。POCの特徴は、下記である。

  1. ピラミッド構造から「ネットワーク構造」へ。産業構造を変革するプラットフォーム:全国の工場をネットワーク化し、容器包装の素材・ロット・環境対応条件をもとに最適な工場をすぐに検索してマッチングすることで、工場問い合わせから選定までの期間を短縮できる。1次製造元に直発注することで、従来の製造コストを約15〜20%削減できる
  2. サステナブルの見える化:サステナブルな素材への置き換えによるCO2削減量・認証マークの意味の表示・POC独自マークの作成など、サステナブルの概念をさまざまな方法で見える化する
  3. サステナブルコミュニティでの「シェア制作」によるコスト削減と付加価値創出:POCには、サステナブルに取り組むブランドが共同で容器包装をつくる「シェア制作」という機能がある。同機能により、複数のブランドは共同で発注ロットを定め、高価なサステナブル材料を共有できる。コミュニティ参加者間での相互送客や過去の創作物の共有などの付加価値創出にも取り組む予定
  4. ロゴやデザインの入稿だけで即日注文可能:ポストに投函可能な容器包装や配送袋など、型式が決まっているものは、デザインを入稿するだけで即日発注できる

日本における中小企業の割合は99.7%であることから、より多くの企業を巻き込んで容器包装の環境負荷を削減することを目的として開始されたPOCの今後の展開が期待される。

【プレスリリース】株式会社ポック、中小事業者向けサステナブルパッケージ制作サービス「POC」を提供開始。併せて、3300万円の資金調達を実施。
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*記事中の画像の出典:株式会社ポック