ソリューション・コンサルティング事業を行う一般社団法人資源循環ネットワーク(以下、RCN)とリサイクルシステムを展開する大栄環境株式会社、およびインフラトータルサービス企業のユニアデックス株式会社は12月8日、廃棄物処理・リサイクル業界のデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)促進を目的として、「資源循環システムズ株式会社」を設立したことを発表した。
資源循環システムズは、産官学連携による廃棄物処理・リサイクル業界のDX実現を目的として、業界標準システムやアプリケーションソフトの普及拡大、静脈サプライチェーンの取引に伴う事務手続きの最適化、デジタル化を通じた業界内取引のコンプライアンス徹底を目指す。
同社が掲げる活動方針は、以下の通りだ。
- 廃棄物処理・リサイクル業界のDX促進に役立つ情報システムの開発・維持管理・販売
- 見積作成支援・電子契約システムのクラウド化準備および外販体制整備
- 業界全体のDX促進を視野に入れた独自セミナーなどの開催
- JWNET(※1)やさんぱいくん(※2)など、既存公的システムとの連携体制整備に向けた関連機関への働きかけ
- 中部大学経営情報学部からのインターン受け入れを通じた人材育成
- 廃棄物処理・リサイクルIoT導入促進協議会など、関連団体との連携を通じた情報システム基盤整備に向けた広報活動推進
資源循環システムズのミッション・ビジョン・バリュー(上)と将来的なビジネスモデルイメージ図(下)(出典:RCN、大栄環境、ユニアデックス
産業廃棄物処理分野のコンプライアンス確保の前提は、品目ごとの許可を有する処理事業者が排出事業者と契約を締結したうえで、排出から処分に至る情報のマニュフェスト管理を行うことにある。同3機関は、そのためには行政側が提供する正規の許可情報を民間企業がAPI連携などによって取得し、デジタル処理を通じて行政側にフィードバックするシステムの構築が求められるとの見解を示した。
また、IoTやAIなどのデジタル技術の活用により、脱炭素と循環型経済を同時に達成する革新的循環ビジネスの創生を目指す。動静脈サプライチェーンのなかで動脈ビジネスと静脈ビジネスが相互に資源・廃棄物などのデータを共有し、各プロセスの最適化を図ることで従来よりも質の高い効率的な資源循環・エネルギー利用を図る。
動静脈ビジネス関係図(出典:RCN、大栄環境、ユニアデックス)
資源循環システムズによるDX推進は、SDGsが掲げた17の目標のうち以下の5つに直結する取り組みであるとしている。
- 目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標12:つくる責任、つかう責任
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
- 目標14:海の豊かさを守ろう
同社は、日本全体でのSDGs実現に積極的に取り組むことにより、持続可能な資源循環型社会の一員としての役割を果たしていくことを目指す。
※1)JWNET:廃棄物処理法に規定された電子マニフェストシステムの愛称
※2)さんぱいくん:優良産廃処理業者認定制度の事業の透明性に係る基準を満たすために、会社情報などを登録した処理業者を検索できるシステム
【プレスリリース】廃棄物処理・リサイクル分野のDX推進を担う新会社を設立~産官学連携による情報システム基盤整備を目指して~