住友化学は2024年7月18日、天然素材の売り手と買い手をつなぐマッチングを行うデジタル・プラットフォーム「Biondo®(ビオンド)」をリリースした。専用ウェブサイトも同時にオープンし、同社が培ってきた高度な分析技術と豊富な天然資源データを活用することで、限りある資源を有効活用し、循環型社会の構築に貢献することを目指す。

「Biondo®」は、素材に隠された機能性成分を明らかにし、データライブラリを拡充することで、効率的な素材探しをサポートする。主要機能は、成分分析、情報検索、取引先開拓の三つ。約200種類の化合物の定量的スクリーニングが可能である。また、350種類以上の天然素材の分析データベースから情報を検索でき、素材情報を取引先開拓に活かすことができるという。

日本国内では、食料由来の廃棄物が年間約2,400万トンにも上ると言われている。「Biondo®」は、分析によってこれらの資源の価値を見いだし、素材のリサイクルやアップサイクルを支援する。また、成長する健康・美容関連市場をターゲットにして、顧客への価値創出と社会課題の解決を目指す。

住友化学は、デジタル技術、バイオ技術、環境負荷低減技術を最大限に活用し、ソリューション提供型ビジネスへの転換を図っている。同社の執行役員である辻純平氏は、同社は「Innovative Solution Provider」を目指しており、「Biondo®」のリリースはその一環であると述べ、未開拓の天然素材の価値を解き明かすことでビジネスの機会と持続可能な未来につなげるというビジョンを示した。

【プレスリリース】成分分析を介して天然素材の新たな価値が見つかる、「売りたい」と「買いたい」がつながる 新デジタル・プラットフォーム「Biondo®」始動
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(※画像の出典:住友化学株式会社)