住友商事はこのほど、SMBC Aviation Capital、Apollo、Brookfieldの3社と共に、米国航空機リース会社Air Lease Corporation(ALC)の全株式を取得することで合意した。取得総額は約74億米ドル(約1兆878億円)を予定しており、本案件完了後、住友商事グループ傘下の航空機リース事業は保有・管理機材数において世界最大規模となる見込みだ。

本案件は、関係当局からの許認可等が得られることを前提に、2026年度第1四半期中に完了予定だ。買収完了後、住友商事のALCへの出資比率は37.505パーセントとなり、ALCの新社名はSumisho Air Lease Corporation(Sumisho Air Lease)を予定している。住友商事は、今中期経営計画において、強みを核とした成長の実現に向けて、競争優位性のある事業をより強くする経営資源配分を実行してきた。本案件は、強みを核とした成長事業のひとつである航空機リース事業において、収益基盤のさらなる拡大と事業成長の加速を図るものだ。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い一時的に低下した航空需要は堅調に回復しており、国際航空運送協会(IATA)によると、2024年の世界の航空旅客輸送量は2019年の水準を3.8パーセント上回り、通年の旅客輸送量としては過去最高を記録した。また、同年から2043年においても平均3.8パーセントの成長が見込まれ、需要の伸びに伴い、航空機リース市場のさらなる拡大が予想されている。ALCは、新世代機材中心の良質なポートフォリオを有している世界有数の航空機リース事業会社だ。本案件完了後、SMBC Aviation CapitalはSumisho Air Lease保有機材の大部分を管理受託することで、同社の管理機材ポートフォリオを大幅に拡大し、住友商事グループ傘下の航空機リース事業は保有・管理機材数において世界最大規模となり、業界地位の強化ならびに競争優位性の確立を図る。

住友商事の航空事業は、1980年代のトレードビジネスに始まり、90年代からリース事業へと領域を広げてきた。2000年代以降は、世界各地でリース会社を設立・買収し、2012年に三井住友銀行およびSMFLと共同でSMBC Aviation Capitalを設立した。また、航空機リース事業に加え、エンジンやヘリコプターなど周辺領域にも進出している。今後も、住友商事は、航空機・エンジン・ヘリリース事業における世界トッププレーヤーの地位を堅持し、世界の交通インフラの維持・発展に貢献しながら、部品の再利用、持続可能な航空燃料(SAF)などの新規事業にも取り組むことで、航空機のライフサイクル全体で航空業界の未来を支え、サーキュラーエコノミーの実現にも尽力していく。

ALCは2010年に米国ロサンゼルスで設立された航空機リース事業会社で、従業員は約160名だ。

【ニュースリリース】住友商事、SMBC Aviation Capital、Apollo、Brookfield、米国航空機リース会社Air Lease Corporationを買収
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