タケエイは9月2日、福島県相馬市にて太陽光パネルリサイクル事業を開始したことを発表した。福島県相馬市の同社サーキュラーエコノミー推進本部は、2023年1月に指定処理施設設置許可を取得しており、今回の産業廃棄物処分業許可の取得により本格的な操業がスタートした。
本事業は、太陽光パネルのリユースおよびリサイクルを目的に、専用設備「PVリサイクルハンマー」(株式会社千代田マシナリー製)を導入し、ガラスの破砕・剥離を行う。その後、色彩選別機により高品質なガラスカレットへと選別される仕組みだ。専用の測定機による検査に合格したものはリユース品として販売。不合格のパネルは素材ごとに分離・処理され、リサイクル資源として活用される。
タケエイはグループ企業である信州タケエイやTREガラスと連携し、既に長野県で同様の事業を進めており、さらなる技術の深化を図っている。加えて、同社の第2次中期経営計画では、環境複合事業である「相馬サーキュラーパーク」構想を掲げており、太陽光パネル以外にも使用済み紙おむつのリサイクル実証実験など、多岐にわたる再資源化プロジェクトに取り組んでいる。
本取り組みは、太陽光パネルの大量廃棄が今後予測される中で、環境負荷低減につながると期待されている。特に、2030年頃に多くのパネルが耐用年数を迎えることや、自然災害による破損などの課題に対応できるよう、同社は処理能力の拡張に取り組んでいく予定だ。
【プレスリリース】福島県相馬市における太陽光パネルリサイクル事業開始に関するお知らせ
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