東急株式会社(以下、東急)・東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)・ブックオフグループホールディングス株式会社・ブックオフコーポレーション株式会社(以下、ブックオフ)は12月8日、東急線の駅や車内などでの忘れ物のうち、法的に保管期間が過ぎ、東急電鉄が所有権を取得したものをブックオフを通じてリユース品として再流通させる取り組みを開始すると発表した。

同取り組みは、「モノを捨てない」資源循環型まちづくりへの実証実験の第1弾になるとしている。現在の東急線施設での忘れ物の取り扱いについて、東急と東急電鉄は以下のように公表した。

  • 東急線の忘れ物は遺失物法に則り適切に保管・管理し、顧客から問い合わせがあった場合は速やかに返却するよう努めている
  • 持ち主が見つからず、法的に保管期間が過ぎた忘れ物は廃棄物として処理している
  • 廃棄される忘れ物の量は年間約25トン(2020年度実績)で、このなかには傘・衣類・服飾雑貨・かばん類など、使用できるものが多く含まれている

こうした現状を踏まえて実施される同実証実験の概要は、下記である。

  • 目的:「なにげない日々が、みらいを動かすまち」をコンセプトとした、誰もが参加しやすい資源循環型まちづくり
  • 実施期間:2021年12月~2022年3月(予定)
  • 検証内容:リユース・リサイクルに関するブックオフの知見と技術を活用し、法的に保管期間の過ぎた東急線施設での忘れ物を国内外のブックオフグループ店舗網を活用して再流通・再資源化させ、環境負荷低減効果を検証する。その結果をもとに、鉄道施設以外の忘れ物など取扱い対象の拡大を検討する
  • 収益の活用:同実証実験を通じて東急電鉄が得た収益は、再生可能エネルギー100%で走行する世田谷線の「SDGsトレイン」の電力購入などの環境配慮の取り組みに活用する


(出典:東急株式会社・東急電鉄株式会社・ブックオフグループホールディングス株式会社・ブックオフコーポレーション株式会社)

なお、武蔵小山駅直結のエトモ武蔵小山1階では2021年12月15日~2022年1月16日、ブックオフによる不要品買取イベントを実施する予定だ。顧客が気軽に不要品(本・DVD・ゲームソフト・洋服・ブランドバック・腕時計・貴金属)の持ち込みや相談ができる環境の整備に取り組むとしている。ブックオフは同イベントを通じて、より幅広い層の顧客が気軽に参加できるリユース文化を東急線沿線に広げていきたい考えだ。

今後、4社は取扱い品の対象を段階的に拡大し、社会課題の解決につながる資源循環プラットフォームの構築に取り組んでいく構えだ。「モノを捨てない」資源循環型まちづくりを目指す4社のこうした取り組みが、鉄道沿線の住民にモノを大切にすることへの関心を呼び起こし、より良いコミュニティづくりに貢献していくことが期待される。

【プレスリリース】東急線沿線においてブックオフと連携し、資源循環型まちづくりへの実証実験を開始 保管期間が過ぎた東急線のお忘れ物や、駅直結施設でお客さまにお売りいただいた不要品をリユースします
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