ファッションブランドのトミー ヒルフィガーは8月31日、「Waste Nothing and Welcome All (無駄をなくし、全てを受け入れる)」というビジョンにもとづき、サステナビリティプログラム「Make It Possible」を発表した。同プログラムは、2030年に向けたサーキュラリティ(循環性)とインクルーシビティ(包括性)に関する4本の柱と24の目標からなる。

4つの柱は下記の通りだ。

  • Circle Round:すべての製品を循環可能にする。
  • Made for Life:原材料の調達から販売までのすべてのプロセスで、気候変動や土地利用、水質や大気汚染などプラネタリーバウンダリーに細心の注意を払う。
  • Everyone Welcome:常にインクルーシブで誰もが着用できるブランドを目指す。
  • Opportunity for All:差別のない、平等な社内キャリア環境を実現する。

循環性に関しては、同社デザイナーの80%以上はすでに循環可能なデザインについての研修を受け、2019年には原材料として使われる綿の72%をサステナビリティに取り組む調達先から仕入れた。さらに、200万枚のデニムは水利用を抑制し環境に負荷が低い方法で製造されたという。

なお、各シーズンごとにサステナブルな製品の占める割合を増やす計画で、2021年春のコレクションでは、前年の2倍の数量、全体の50%を実現する。

また、社会的な目標として、障害のある大人と子どもが簡単に着替えられるよう設計されたファッションライン「トミー ヒルフィガー アダプティブ」の立ち上げ、サステナビリティに取り組むビジネスを支援する事業「トミー ヒルフィガー ファッション フロンティア チャレンジ」、ファッション業界における黒人・先住民族・人種的マイノリティの活躍を推進する「ピープルズ プレイス プログラム」の立ち上げが含まれている。

サステナビリティは自社だけでは実現できないという考えから、同社は2019年8月にアパレル分野のサステナビリティや循環化を追求する共同誓約 ファッション協定(The Fashion Pact)に署名し、エレン・マッカーサー財団Make Fashion CircularのThe Jeans Redesignにも参画。また、WWFと提携して、中国やベトナムのサプライチェーン拠点における水資源管理を推進している。

ブランド創設者のトミー・ヒルフィガーは、「1969年に故郷に第一号店をオープンして以来、インクルーシブな精神に牽引され、社会的および環境的なサステナビリティへの取り組みも進めてきた。Make It Possibleプログラムによって、サステナビリティへのコミットメントをさらに強化し、組織全体が同じビジョンのもと力を合わせて取り組む」と述べた。

【プレスリリース】トミー ヒルフィガーが 意欲的なMAKE IT POSSIBLEプログラムを通じてサステナビリティの取り組みを加速
【参照サイト】Make It Possible