株式会社大京穴吹不動産(以下、大京穴吹不動産)はこのほど、マンションのリフォーム工事現場で使用する養生シートを再利用・リサイクル可能な廃棄物由来の素材製品に切り替えると発表した。首都圏の工事現場を中心に順次導入していく予定だ。

マンションのリフォーム工事の際にマンション共用部を保護する養生シートはプラスチック製ブルーシートが一般的で、同社では首都圏の工事現場だけで年間約1,000立方メートル(4トントラック約160台分。同社調べ、リフォーム工事現場で約50m・年間2,000現場で使用した場合)の使用済み養生シートを廃棄しているとしている。

この課題を解決するべく、同社はオフィスビルなどから排出されたタイルカーペットを再資源化して製造された養生シートを導入する。同養生シートは使用後に回収・清掃して平均5回使用でき、劣化したものは再び樹脂化することで新たなシートに再生し廃棄量を削減するとしている。従来のブルーシートを毎回使い捨てた場合と比較して、シートの製造・輸送・廃棄にかかるCO2排出量を約57%(同社調べ。5回使用した場合)削減できると同社は発表した。環境面だけでなく、軽量で耐久性や安全性にも優れており、工事中もマンションの美観を維持する色合いを持つとしている。

(出典:株式会社大京穴吹不動産)

養生シートの循環工程および特徴について、大京穴吹不動産は以下を公表した。

  • 養生シートは、再生樹脂リサイクルの独自技術を持つリファインバース株式会社が開発。オフィスビルなどの内装工事現場から回収した廃棄予定のタイルカーペットを再生樹脂化して製造される
  • 完成したシートは、リファインバース株式会社の子会社で産業廃棄物を収集・運搬する株式会社ジーエムエスが大京穴吹不動産の工事現場に配送し、大京穴吹不動産がマンション共用部に敷設する
  • 工事完了後の使用済みシートは、株式会社ジーエムエスが工事現場から排出される廃棄物とともに回収して清掃し、他の工事現場で再利用される
  • 品質が劣化したシートは再び樹脂化され、新しいシートにリサイクルされる

資源の循環工程を構築し、廃棄物とCO2排出量削減に貢献するこうした取り組みがさまざまな分野で広がっていくことが期待される。なお、リファインバース株式会社は、都市部で大量に消費・廃棄されているカーペットタイルを合成樹脂素材に再資源化している。同樹脂は多くのカーペットタイルメーカーに採用されているほか、遮音シート・建材・床材・自動車部品など、さまざまな用途に使用されている。

【プレスリリース】廃棄カーペットを再生した養生シートを導入~工事現場での廃プラ・廃棄量削減と資源の循環プロセスを構築~
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*冒頭の画像はリサイクル養生シート使用例(出典:株式会社大京穴吹不動産)