凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は、持続可能な社会の実現に向け、地球環境課題への長期的な取り組み方針を定めた「トッパングループ環境ビジョン2050」(以下、同ビジョン)を策定した。これに合わせ、凸版印刷全体のSDGs活動の重要課題である「環境配慮・持続可能な生産」の重要業績評価指標を見直し、「トッパングループ2030年度中長期環境目標」として新たな数値目標も設定した。

トッパングループ環境ビジョン2050、およびトッパングループ2030年度中長期環境目標の概要は次のとおりだ。

トッパングループ環境ビジョン2050

トッパングループは国際社会の一員として、未来を見据えた地球環境保全に配慮した企業活動を通じ、以下の3項目の実現を目指す。

  1. 脱炭素社会への貢献
    Scope1+2温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す(※)
  2. 資源循環型社会への貢献
    廃棄物のゼロエミッションを目指す
  3. 水の最適利用
    水使用量の削減と、水質汚染防止による水質改善に貢献する

トッパングループ2030年度中長期環境目標

「脱炭素社会への貢献」において、「TOPPAN SDGs STATEMENT」(2019年11月策定)で定めた温室効果ガス排出Scope1+2削減目標を2.5%上方修正した。「資源循環型社会への貢献」「水の最適利用」については、新たに2030年度目標を設定した。

  1. 脱炭素社会への貢献
    温室効果ガス排出Scope1+2:2017年度(137万トン)比32.5%削減(44万トン減、再エネ比率6.5%)
    温室効果ガス排出Scope3:2017年度(612万トン)比20%削減(122万トン減)
  2. 資源循環型社会への貢献
    廃棄物最終埋立量:2017年度(7,407トン)比60%削減(4,444トン減)
    廃プラスチックのマテリアルリサイクル率:2017年度(53%)比12%増(65%)
  3. 水の最適利用
    水使用量の削減、原単位の改善および水質汚染リスクの回避
    (定量目標は今後設定予定)

これまでも、同社は環境への取り組みを積極的に進めてきた。1992年に環境保全活動の基本理念として「凸版印刷地球環境宣言」を定め、2009年4月には同宣言をグループ全体の活動の基本理念「トッパングループ地球環境宣言」に改めた。2019年11月には上述の「TOPPAN SDGs STATEMENT」を策定・公表し、SDGsの経営への統合と取り組み強化を宣言している。このなかで、同社はSDGsの取り組みを通じて実現したい社会を「ふれあい豊かでサステナブルなくらし」とし、環境課題に積極的に取り組んでいくことを表明している。2020年11月には、SDGsに事業活動として取り組む注力分野について、さらに具体的な目標を設定した「TOPPAN Business Action for SDGs」も発表した。今後、事業活動の重要課題における「サステナブルな地球環境」の数値目標を公表する予定だ。

凸版印刷は、同ビジョンで示した環境課題への取り組み方針に沿った活動を強化し、随時進捗を報告して、ステークホルダーとともに「ふれあい豊かでサステナブルなくらし」の実現に向けて取り組んでいくとしている。

※:Scope1は、自社での燃料使用や工業プロセスによる直接排出。Scope2は、自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出。Scope3は、Scope1およびScope2以外の間接排出(サプライチェーンを含む事業者の活動におけるそのほかの排出)

【プレスリリース】凸版印刷、「トッパングループ環境ビジョン2050」を策定
【参照サイト】TOPPAN SDGs STATEMENT
【参照サイト】TOPPAN Business Action for SDGs
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