豊通ペットリサイクルシステムズ株式会社はこのほど、本格稼働を開始し、ペットボトルの水平リサイクル工場(所在地:滋賀県)の竣工式を開催した。

飲料ボトル用リサイクルペットの製造会社である同社は、豊田通商株式会社・ウツミリサイクルシステムズ株式会社・株式会社中央倉庫などが2020年に共同設立した。

PETボトルリサイクル推進協議会によると、日本では販売されたペットボトルの96.7%が回収され、88.5%がリサイクル(熱回収込みの有効利用率は98.0%)されているが、水平リサイクルの割合は15.7%にとどまっている。

豊通ペットリサイクルシステムズ株式会社は、これまで海外輸出に向けられていた廃棄ペットボトルを国内での水平リサイクルに転換することを目指す。工場では、年間約4万トンの飲料ボトル用リサイクルペット樹脂の生産を目標としている。2020年度の指定ペットボトル(※)の国内販売量は約55万トンとなっており、同工場が生産目標を達成すると、国内で販売される指定ペットボトルの約7%を製造するための樹脂を賄えるようになる。

2021年4月、一般社団法人全国清涼飲料連合会は清涼飲料業界として、2030年までにペットボトルの水平リサイクルの比率50%を目指すことを宣言した。同工場は、この目標達成に大きく貢献すると考えられる。ペットボトルの水平リサイクルに向け、現在さまざまな自治体や企業が消費者を巻き込んだ取り組みを進めているなか、今後の動向が注目される。

※ 指定ペットボトル:使用済みペットボトル単独のリサイクルに支障のない内容物を充填した日本政府指定のペットボトル。資源有効利用促進法の「ペットボトルの識別表示マーク」の使用が義務付けられている(PETボトルリサイクル推進協議会より)

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*冒頭の画像は工場の外観(出典:豊田通商株式会社)