フィンランドのトゥルク市はこのほど、「サーキュラー・トゥルク・ロードマップ」を発表した。市をサーキュラーエコノミーに移行させるため、2年かけて200名以上の地域のステークホルダーとの対話に基づき策定された。温室効果ガス排出ゼロ目標を2029年までに実現するための政策として位置付けられ、すでに存在しているサーキュラーエコノミー施策を補完する。
同ロードマップは、フィンランドの国家戦略プログラム「New Directions」と整合性がとられている。フィンランドは2035年までにカーボン・ニュートラルかつサーキュラーエコノミーの構築を目指す。トゥルク市は、地域と都市のワーキンググループの議長でもあることから国家戦略プログラムの発展に貢献していきたい考えだ。なお、トゥルク市とフィンランド政府はサーキュラーエコノミーを強化するため、イノベーション・エコシステム合意(2021-2027年)を締結している。
市長のMinna Arve氏は、「今回の介入策により、バリューチェーン全体で排出量・資源採取量・廃棄物を最小限にし、循環型生産・消費システムを実現したいと考えています。また、本市は、サーキュラーエコノミー施策と脱炭素施策を結びつけたフィンランド初の市となります」と述べた。
同ロードマップは、ICLEI(持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会)や専門機関が開発したサーキュラーエコノミーアプローチに基づいて開発された。経済活動のバリューチェーン全体を対象に、相互に関連する「5つのR」戦略である「Rethink(再考)、Regenerate(再生)、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recover(回収)」を用いている。
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