世界有数の金融機関であるUBSのサステナブル投資が順調に増加し、2019年時点で目標を1年前倒しで達成したことが、同行の最新の発表で分かった。

3月5日に発表されたレポートによると、2019年度の同行のサステナブル投資額は前年度約56%増の4880億米ドルとなった。17年時点で5.6%だった投資総額に占めるサステナブル投資の割合は13.5%となり、2017年に掲げた「2020年までに運用資産全体の11.2%をサステナブル投資にあてる」という3ヵ年目標を、1年前倒しで達成した。

UBSは顧客資産39億米ドルをSDGs(持続可能な開発目標)に関わるインパクト投資に振り向けており、17年の世界経済フォーラムで表明した「21年までに顧客資産の50億米ドルをインパクト投資に」という目標にも着実に近づいている。

また、同行は炭素関連資産を前年よりも40%余少ない19億米ドルにまで削減し、全資産の0.8%に当たる水準にまで低下させた。北極圏での新規の海底油田事業や、未開発地域の炭鉱事業やオイルサンド事業への融資を止める方針を示すとともに、天然ガスや深海掘削のプロジェクトに関わる審査も強化した。

なお、同行は温室効果ガス排出量を20年に04年比75%削減する方針を示しているが、19年時点で71%削減まで順調に推移している。

同行はさらに、顧客資産を持続可能な社会・環境の実現につなげているUBS Optimus Foundationを通じて、25年までに世界600万人の子ども・若者に対して健康、教育、起業支援を行っていく方針も明らかにした。

【参照記事】UBS achieves ambitious sustainable investment goal ahead of schedule; tightens fossil fuel standards