ウッドリンク株式会社は12月17日、非住宅木造建築の普及を目指し、専門サイト「木造化ラボ」と非住宅木造システム「WOODCORE」を発表した。

住宅着工戸数の減少が予測される中、木材業界では、倉庫、工場、店舗、事務所などの非住宅分野への進出が重要な課題となっている。この課題に対し、ウッドリンクは長年の木造建築ノウハウと最新技術を融合させ、「WOODCORE」を開発。同時に情報提供サイト「木造化ラボ」を公開し、非住宅木造建築の利点や事例を広く発信する体制を整備した。

「WOODCORE」は、非住宅木造建築に不慣れな方でも設計に取り組めるように設計されたモジュール型の非住宅木造建築システム。非住宅木造建築の設計は、建設費用に加え長期的な維持コストを考慮する必要がある。モジュール設計を採用することで、材料の無駄の抑制や施工期間の短縮を図る。

また戸建て住宅用の一般流通材を活用し、同社が構造計算、建材手配、施工管理を一貫して提供することで、施工の効率化と設計負担の軽減を目指す。同社によると、鉄骨造と比較して30%以上のコスト削減と最大10日の工期短縮が可能だという。さらに、耐積雪性能や大空間建築への対応、施工後のメンテナンス性も考慮した構造が採用されている。

「木造化ラボ」は、設計事務所やゼネコン、地域工務店などが非住宅木造市場へ参入しやすくするための情報提供サイトだ。木造化・木質化の利点や具体的な事例を紹介し、建築業界全体の木造化推進を図る。

ウッドリンクは、非住宅木造建築の普及は、木材の炭素固定機能による環境保全への貢献に加え、地域産木材を使用することで輸送距離の短縮と地域経済の活性化につながるとし、今後も「WOODCORE」を中心に持続可能な木造建築の可能性を広げる取り組みを進めていく方針だ。

【プレスリリース】非住宅木造建築の新提案 新サービス「木造化ラボ」および非住宅木造システム「WOODCORE」を発表
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