英国政府は7月30日、EUのサーキュラーエコノミーパッケージを英国の法律に組み込んで、2035年までに一般廃棄物の65%をリサイクルし、埋め立てを廃棄物の10%までに抑制する目標を発表した。
EUのサーキュラーエコノミーパッケージは、2015年に採択された行動計画で、リサイクル率向上により、資源枯渇から産業界を保護し、新しい事業領域と雇用の創出を目標とする。主な目標は、2035年までに加盟国全体で一般廃棄物のリサイクル率を65%にし、同年までにごみの埋め立て比率を最大で10%に抑える。
英国は、サーキュラーエコノミーパッケージに合意したEUから離脱することに加えて、イングランドのリサイクル率がこの数年間停滞しており、2020年のリサイクル目標50%の達成が難しくなっている。そこで、英国政府は、資源利用抑制と二酸化炭素排出実質ゼロ目標達成に向け、EUと同様のサーキュラーエコノミーパッケージの目標を掲げた。
環境大臣レベッカ・パウ氏は、「英国は、リサイクル率を高め、埋め立て処分量を削減し、よりクリーンな廃棄物産業を作り、二酸化炭素排出量削減に取り組む。この新しいサーキュラーエコノミーパッケージにより、廃棄物産業の改革へ一歩を踏み出す」と述べた。
今年後半に導入される新しい法律により、英国の埋め立て処分量や焼却量の減少に向けて取り組みを加速させる。リサイクルを目的として分別回収された廃棄物を焼却することや埋め立て処分を禁止することが要求されている。
英国の既存の環境法制の代表的な戦略である「資源と廃棄物戦略(Resources and Waste Strategy)」は、少なくとも30%の再生原材料を含まないプラスチック包装の製造・輸入事業者に対して課税する。また現在、製造者は包装の処分費用の10%を負担しているが、今回提出された提案では、実質全費用を負担するという。これは、今後の協議で決定される。
環境・食糧・農村地域省(Defra)は、回収を目的とした再生可能な原材料を導入し、リサイクル率向上を図るとしている。包装の拡大生産者責任(EPR)を通じて、産業界がリサイクルと処分に向けた資金、年間5億ポンドから10億ポンドを提供すると政府は見ている。
また、同国25カ年環境計画は、資源生産性を倍増させ、2050年までに発生抑制可能な廃棄物をゼロにする枠組みも設定している。