竹中工務店は、「サーキュラーデザインビルドコンセプトブック」をコーポレートサイト上で公開した。同社が提唱する「サーキュラーデザインビルド®」の考え方や実践事例をまとめたもので、建築の全プロセスにおける資源循環の実現を目指す取り組みを広く発信する。
サーキュラーデザインビルドは、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会からの脱却を図り、設計・施工・解体はもちろん、竣工後の運用や建材の再活用に至るまで、建築に関わるすべてのプロセスで資源の循環を促進する新たな建設ソリューションである。専門知識や技術、デザイン力、そして多様な企業や人々との連携を通じて、一度生まれた建材を次の時代や別の建築へと活用していくことを目指している。
コンセプトブックでは、「スクラップアンドビルド」からの転換を掲げる。同社は長年培ってきた作品主義の姿勢を守りながら、従来の建て替え中心の発想を見直し、資源が循環する建築を生み出していく考えを示した。今か未来かの選択ではなく、今と未来の双方を大切にする持続可能な社会の構築を目標としている。
実践事例として、既存建物の構造体や外装を活かした減築・増築プロジェクトを紹介。築35年の建物を活用した取り組みでは、既存躯体の有効利用やECMコンクリート、電炉鋼の採用により、CO₂排出量を約70%削減した。また、既存躯体の活用により工期を40%短縮し、解体時の騒音・振動の大幅低減と廃棄物の約80%削減を実現したという。
「中央日土地博多駅前ビル」の建て替えでは、地下から地上2階までの既存躯体を再利用し、中間免震層を設けることで耐震性の確保と環境負荷低減を両立した。さらに、東京都港区新橋にある国の登録有形文化財「堀ビル」の保存活用事業にも取り組み、改修のうえシェアオフィスとして運用することで、歴史的価値の継承と新たな活用を実現している。
大阪・関西万博では、生分解性樹脂を用いた3Dプリントによる一体造形建築を実装。「つくる・つかう・森になる」という発想のもと、建築が最終的に土へ還る循環型の在り方を提示した。また、自立電源や衛星通信設備を備えたオフグリッド型トレーラーハウスの展開により、既存インフラに依存しない「フィールドづくり・まちづくり」を提案。平常時のみならず災害時にも活用可能な仕組みとして社会課題の解決に貢献する。
竹中グループは2025年4月に策定した「環境戦略2050」において、「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の調和を掲げている。資源循環分野では、2030年までにサーキュラーデザインビルドACTIONSを100%、2050年までに全プロジェクトでの実装を目標とする。
同社は、サーキュラーデザインビルドは人の想いの数だけ連鎖していく取り組みであるとし、発注者や設計者、施工者、地域社会など多様なステークホルダーとの対話と協働を通じて、循環型社会の実現を加速させていく考えだ。
【プレスリリース】「サーキュラーデザインビルドコンセプトブック」をWEBサイトに公開
【プレスリリース】CIRCULAR DESIGN BUILD vol.1 CONCEPT BOOK
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