アミタホールディングス株式会社(以下 アミタHD)は4月23日、NTTドコモビジネスと共同で、福岡県の大刀洗町に設置する「MEGURU STATION®」において、使用済みプラスチック資源を対象としたトレーサビリティ実証を実施し、地域住民が関わる回収拠点でも資源の移動履歴を継続的に取得・管理できることを確認したと発表した。実証は2025年11月から2026年3月まで約4か月間にわたり実施された。

アミタHDは、市民・地域・企業が連携し、資源を循環させるエコシステム社会の実現を掲げている。2022年にはNTTドコモビジネスと基本合意を締結し、地域で回収された資源や利用者データを活用し、回収量予測や資源循環の効率化などを行う、資源循環のデータ基盤「サーキュラープラットフォーム」の構築を進めてきた。今回の実証は、地域の資源回収拠点において、「誰が・いつ・どこで・何を・どれだけ回収したか」といった資源の移動履歴を継続的に把握・管理できるかを検証するものだ。

こうしたトレーサビリティはこれまで、生産量や発生資源を予測しやすい工場など、専門的な管理体制を持つ拠点での運用が前提とされてきた。MEGURU STATION®のように、地域住民が日常生活の中で多様な資源を持ち込む環境では、回収量や資源種類が日々変動するため、予測や管理が難しい側面がある。

今回の実証では、使用済みプラスチックを対象に、資源が入った袋やフレコンバッグ単位のロット、出荷便ごとにQRコードを付与。Excelと推定重量を組み合わせ、回収拠点から集約拠点までの入出荷履歴を記録した。

その結果、回収から集約までの一連のプロセスにおいて、資源の移動履歴データを継続的に取得・管理できることを確認した。さらに、資源持ち込み時にQRコードの読み取りと重量入力を同時に行う仕組みにより、記録からシステム連携までを一連の作業として完結できることも確認。専任の管理者を置かずとも、シンプルかつ継続的な運用が可能であることを示した。

また、取得したデータについては、NTTドコモビジネスが提供する再生資源循環プラットフォームとの連携を想定した場合でも、基盤データとして活用可能な品質水準であることを確認したという。

一方で、一部拠点ではQRコードの読み取り漏れやラベル貼付ミスによるデータ欠損も発生した。アミタHDは、エラー検知や通知機能の導入に加え、作業工程の簡易化・標準化を進めることで、運用の再現性向上を図るとしている。

今後は、本実証で得たデータや運用上の課題をもとに、資源回収や再生材活用を効率化するサーキュラープラットフォームの開発を進める。回収資源のトレーサビリティデータと、MEGURU STATION®の利用者の来訪頻度や滞在時間などのデータを統合し、回収量予測や配車最適化、異常検知などへの活用を目指す。

さらに同社は、資源の流れだけでなく、地域とのつながりや健康促進といった社会的価値も資源情報に紐づけて可視化する「インパクトトレーサビリティ」の実装を進める。資源循環による環境負荷低減だけでなく、地域コミュニティ形成や健康促進といった社会的価値も可視化することで、商品や資源循環の価値を多面的に評価できるようにする狙いだ。

【プレスリリース】アミタHD、NTTドコモビジネスと共同で、「MEGURU STATION®」における使用済みプラスチック資源のトレーサビリティ運用成立を確認(福岡県大刀洗町)
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