株式会社デンソーは2026年8月25日、欧州電池規則への対応とバッテリーのトレーサビリティ支援を目的としたバッテリーパスポートサービス「DENSO Digital Product Passport Solution for Battery」の提供を開始した。

欧州電池規則では2027年2月18日から、EV用電池、LMT(軽輸送手段用)電池、容量2kWh超の産業用電池を対象に、バッテリーパスポートの導入が義務付けられる。義務化まで半年を切るなか、対象となる自動車メーカーや電池メーカーには、対応システムの構築と実運用に向けた準備が求められる状況にある。

同サービスは、欧州のバッテリーパスレディコンソーシアムが策定したデータモデルに基づき、電池製品ごとにバッテリーパスポートを生成する。事業者は自社の基幹システムやサプライヤーから電池情報を効率的に収集でき、利用者は製品に付与されたQRコードを通じて電池情報にアクセスできる。一般消費者や経済事業者など、利用者の立場に応じて閲覧可能な情報を制御するアクセス権限管理機能も備え、データ主権を尊重したセキュリティ確保と規制対応の両立を図っている。

データの信頼性確保には、デンソーが2017年から研究開発を進めてきたブロックチェーン技術の知見を活用した。記録同士を連鎖的に管理することで、記録を書き換えると前後の記録との整合性が取れなくなり、理論上改ざんが困難な仕組みとなっている。

バッテリーパスポートをめぐっては、欧州のITベンダーや自動車部品大手によるサービス提供がすでに進んでいる。日本国内でも自動車メーカーや部品工業会などが設立した一般社団法人自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(ABtC)がCO2排出量などのデータ連携基盤を構築している。デンソーは自社のカーボンフットプリント算定アプリでABtCの「アプリケーション認証」を取得した。さらに今回、個別の電池製品ごとにバッテリーパスポートを生成・管理する自社サービスとして提供を開始した格好だ。

デンソーは今後、エコデザイン規則で求められるバッテリーパスポート以外のDPPへの対応も視野に入れる。複数のデータ基盤と連携できる仕組みを取り入れており、将来的には電池以外の製品領域への展開も目指すとしている。バッテリー単位でのトレーサビリティ情報が整備されれば、電池の状態把握や適切な再利用・リサイクル判断がしやすくなり、資源循環の効率化につながる可能性もありそうだ。

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