スウェーデンに本拠を置く電池スタートアップNorthvoltはこのほど、再生材を100%使用した同社初となる電池セルを製造した。再生材はニッケル・マンガン・コバルトで、NMC正極材に使用されている。同社は電気化学試験を実施し、再生材使用の電池セルの性能はバージン材から作られたセルと同等であることが実証されたと発表した。
Northvoltは、現在EUが多角的に推進する電池の域内生産計画を担う電池セルメーカーの一つで、経営方針として「地球上で最もクリーンな電池」の製造を掲げる。EUからの支援に加え、独フォルクスワーゲンや独BMWなどの大手自動車メーカーをパートナーに持ち、急成長中だ。近年、多額の投資が電池産業の構築に集結しているため「電池バブル」ともいわれる欧州において、2016年に設立された同社の急速な発展には目を見張るものがあり、いま最も注目されるスタートアップの一つである。
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藤原 ゆかり
欧州在住フリーライター/リサーチャー。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。専門分野:EU環境政策・規制。イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。趣味は旅行と油絵。