モノの循環の仕組みをつくる環境ベンチャーである株式会社ECOMMITと三井不動産レジデンシャル株式会社はこのほど、マンション入居者から不要になった衣類などを回収する常設型の不要品回収サービス「くらしのサス活Circular Action」の展開を開始した。
まずは東京・豊洲エリアのマンション5棟(約4000戸)を対象にサービスを実施し、今後は三井不動産レジデンシャルの新築分譲マンションや同社が管理する既築マンションなどにも順次拡大していく。
生活導線での回収を通じて資源として再流通。焼却と比較して約70%のCO2排出量削減に貢献
ECOMMITによると、複数物件の大規模マンションでの不要品回収サービスの同時展開はこれまでになく、衣類に限らずファッション雑貨やホビー用品を含む多品目の常設ボックスでの回収も国内初の試みとみられる。
同サービスの開始に先駆けて、両社は2023年1月からパークアクシス豊洲キャナル(東京都江東区)の共⽤部に回収ステーションを設置し、⾐類などを回収する実証実験を実施。その結果、⽉間約200キログラムの不要品が回収され、焼却した場合と⽐較して約70%のCO2排出量削減を実現した。同サービスは、パークアクシス豊洲キャナルを含む豊洲エリアのマンション5棟(約4000⼾)を対象としており、年間で合計15トン以上の回収を⾒込む。回収した不要品はECOMMITがリユース品として再流通させるほか、⾐類に関してはECOMMITが取り組む衣料品再資源化プロジェクト「Wear to Fashion」の仕組みを通じてリサイクルされる。
同サービスを導⼊する豊洲エリアの分譲マンションの管理組合は、⼀般的に広く回収されている缶やビンなどの集団回収と同じく、⾐類も「古布」として江東区に申請すれば報奨⾦を受け取れる。同サービス導入によって、管理組合はまとまった量の⾐類を回収⽀援制度に申請することで報奨⾦を受け取れるため、持続可能な組合運営にも貢献できるように設計されている。
三井不動産レジデンシャルが提供する同サービスは、楽しみながら持続的に脱炭素活動を実践する「くらしのサス活」の活動の一つとして、循環サイクルの実現に向けたサービスを包括的に提供しているECOMMITと連携し、入居者が日々のくらしの中で楽しみながらいつでも気軽に資源循環に関わり続けられるサービスとして位置付けられている。生活導線上に資源回収拠点を設けることが、環境意識を持つ消費者にとって、マンションをはじめとする住空間さらにはコミュニティ全体の付加価値向上につながるか注目すべき動きだろう。
【プレスリリース】すまいとくらしから循環型社会の実現を目指すプロジェクト「くらしのサス活 Circular Action」始動~豊洲エリアのマンション約4,000戸を対象に回収ステーション常設型不要品回収サービスを実施~
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*冒頭の画像は、マンション共用部における常設型の不要品回収ステーション(パークアクシス豊洲キャナル)。記事中の画像の出典:株式会社ECOMMIT