地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は2024年度、中小企業がもつ強みを活かしてサーキュラーエコノミーへの転換に資する技術開発を支援するため、フードロス対策、脱プラスチック分野などで公募型共同研究を実施する。研究の開始に先立ち、2月1日、都産技研は中小企業向けの個別相談の受付を開始した。

公募型共同研究は、都産技研が中小企業者に研究開発を委託。その研究開発の一部を、都産技研が保有するシーズや施設・設備の利活用などの形で都産技研が分担して実施する。

都産技研は、脱炭素・エネルギー関連、フードロス対策、プラスチックの削減・再利用を含む総合的な視点から、より高度な循環型社会の実現に向けて技術動向リサーチを行っている。中小企業が参入可能な領域を示すサーキュラーナビを作成し、中小企業への啓発活動や研究開発等の支援を行う方針を打ち出している。

共同研究のテーマ案は、「材料・加⼯技術を活かしたサーキュラーエコノミーに資する研究」と「判別・診断、センシング技術を活かしたサーキュラーエコノミーに資する研究」の2つ。材料・加⼯技術、または判別・診断、センシング技術を活かし、フードロス削減もしくはプラスチックの3R(リデュース・リユース・リサイクル)につながり、サーキュラーエコノミーへの転換を実現するための研究開発を行う。

研究実施対象者は、都内に登記簿上の事業所があり、日本国内に活動拠点を構える中小企業者。または、その中小企業者を代表申請者とし、中小企業者、大企業、大学等の複数の法⼈で研究開発を希望する共同体だ。

研究開発期間は2024年7月1日から最長1年間(2025年6月30日まで)。委託上限額は1テーマあたり1,200万円(消費税含む)。

申請要件の確認のため、個別相談(ウェブ会議可)が必須となる。申請書類を持参する場合は4月8日午前9時から4月12日午後5時まで。郵送は4月12日必着。2月7日午前10時から、説明動画の配信を行う予定だ。

【プレスリリース】中小企業の技術を活かす 「サーキュラーエコノミーへの転換支援事業」 共同研究テーマ募集に向けたお知らせ
【参照記事】サーキュラーエコノミーへの転換支援事業
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