田中鉄工株式会社は10月10日、同社が北海道小樽市で展開している「Roa(d)cal SDGs Project」の発表会を開催した。同社と小樽市は、地域の家庭や飲食店から回収した使用済み食用油(廃食油)を重油代替燃料としてアスファルト合材を製造し、道路や歩道の舗装に活用する仕組みを構築。廃食油を地産地消エネルギーとして使用することで、循環型社会の実現と、CO2やNOx、SOxの排出削減による地球環境の保全に貢献するとしている。

このプロジェクトは、小樽アスコン共同企業体で廃食油燃料の使用が始まったことをきっかけに開始した。市役所や小売店、生協を通じて、年間約5,100Lの家庭系廃食油を回収。回収された廃食油はアスファルト合材の製造に使用され、小樽市内の道路舗装に用いられている。

また、小樽市内の小中学校におけるSDGs教育の一環として、同社と連携する北海道油脂事業協同組合によって出前授業を実施した。

今後は、トレーサビリティとカーボンフットプリントの仕組みを導入し、廃食油の回収から再生までの履歴を可視化し、地域の循環型経済の理解を深める計画を進める予定。

田中鉄工は1918年に創業したアスファルトプラントメーカーであり、国内に13の拠点を持つ。経済産業省により地域未来牽引企業として認定され、サーキュラーエコノミーに関する取り組みも積極的に行っている。

同社が展開する「Road(d)cal SDGs Project」の地産地消モデル導入地域となるのは、長崎県大村市に続いて小樽市が二番目。今後も、全国各地との連携を強化し、カーボンニュートラルの実現に向けた活動を拡大していく見込みである。

【プレスリリース】SDGs教育×サステナブルツーリズム!小樽市Roa(d)cal SDGs発表会を開催!
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