使用済みPETボトルを再資源化するサーキュラー型ビジネスモデルの実現を目指し、株式会社サーキュラーペットの津山工場(岡山県)が3月14日に竣工した。キャップやラベルがついたまま、または飲み残しのあるPETボトルはリサイクルが難しいとされるが、同社はこうした低グレードの素材からでもリサイクルPETを生産できる技術を持つ。津山工場の生産能力は年間2万5千トンで、本格稼働は今春中の予定だ。

サーキュラーペット社は、2020年4月、ヴェオリア・ジャパン合同会社、三井物産株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングスの合弁企業として設立。自治体や民間事業者によって回収し選別された使用済みPETボトルを原料として購入し、選別、破砕、洗浄、溶融、固相重合処理を行い、PETボトル等製造の原料に利用可能なリサイクルPET樹脂を製造・販売する事業を行っている。

同社はこれまでにJR西日本やJR九州など、環境課題を共有するサプライヤーとのパートナーシップを多数構築している。リサイクルPET樹脂1トンあたり、約1.1トンのCO2を削減できる見込みだという。使用済みPETボトルをPETボトルの原料へ再資源化する「ボトルtoボトル」リサイクルに貢献し、環境負荷の低減と脱炭素化への取り組みを推進する。

株主の一社であるヴェオリア社は、フランスを拠点とするグローバルでビジネスを展開する総合環境ソリューション企業。「Resourcing the world(世界を資源で満たす)」というミッションを掲げ、自治体や企業に対して、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を実現するための革新的なソリューションの提供を行っている。日本では、水、廃棄物処理、エネルギーという三つの分野でビジネスを展開している。

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(※画像の出典:ヴェオリア・ジャパン合同会社)