株式会社ストラテジックインサイト(SII)と、三菱地所グループでフレキシブルリビング事業を展開するHmlet Japan株式会社は11月12日、下取りなどで回収された上質な中古家具を家具付き賃貸物件に導入する実証実験を、同月より東京都内のHmlet物件で開始したと発表した。物件の付加価値向上と、良質な家具が循環する社会の実現を目指す。
この実験では、SIIが二次流通支援サービス「Selloop」で培った知見を活かし、家具メーカーや小売店が下取り・回収した高品質な中古家具を選定・調達する。これをHmlet Japanが運営する家具付き賃貸物件に導入することで、コストを抑えながら洗練された住空間を提供し、住宅の新たな魅力づけを図る。実証実験は、東京都渋谷区初台の物件から開始される。
この取り組みは、単に中古家具の廃棄を抑制するだけでなく、家具のライフサイクル全体で新たな価値を創出する。家具メーカーや小売店にとっては、下取りや回収を通じて顧客との新たな接点が生まれるほか、家具付き賃貸という新たな再流通チャネルを確保できる。 また、賃貸物件の入居者にとっては、質の高い家具に触れることで、新たなブランド体験や発見の機会にもつながる。 SIIは、こうしたビジネスとサステナビリティを両立させる循環の考え方を「VDC(Value-Driven Circulation)」と名付けており、今回の協業はそのコンセプトを具現化する取り組みだ。
Hmlet Japanは、三菱地所とHmlet Pte.,Ltd.(現 Habyt GmbH)が設立したフレキシブルリビングの運営会社で、最短1ヶ月から契約可能な家具付き賃貸物件を展開している。 入居者の約7割が外国籍で、多様なライフスタイルに対応した住環境を提供しており、2030年代には運営戸数1万戸を目指している。 両社は今回の実証実験を事業拡大を加速させる重要な取り組みと位置づけ、将来的には他の物件への大規模な導入も共同で検討していく方針だ。
【プレスリリース】SIIと三菱地所グループのHmlet Japan、下取り家具の活用に向けた実証実験を開始
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