愛知県は7月9日、全日本空輸株式会社および中部国際空港株式会社が使用済みの航空貨物用プラスチックフィルムを回収・再利用し、中部国際空港で使用するポリ袋に再生するという新たなプロジェクトを発表した。同県は2023年1月に「サーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム(PT)」を設立し、「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」(2022年3月策定)に基づく取り組みを開始しており、同プロジェクトはその一環。

この取り組みは、空港で使用される伸縮性のある梱包用プラスチックフィルムを対象とする。従来、シール等の付着物により産業廃棄物として処理されていたフィルムを、全日本空輸が現場で仕分けし、資源化する。資源化されたフィルムは、プラスチック循環利用PTメンバーの大和エネルフ株式会が回収し、三陽化学株式会社がプラスチック原料へ再生。その後、愛知プラスチックス工業株式会社が再生ポリ袋を製造した後、中部国際空港内でのごみ袋として利用する。

バリューチェーン全体での連携により、再生プラスチック原料を50%配合した再生ポリ袋が使用され、新規石油原料の使用削減が可能となる。事業者の試算によると、この取り組みで約3割のCO2排出量削減が見込まれている。

「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」は、愛知県が掲げる環境保護と資源の有効活用を目的としたプラン。プラスチックや太陽光パネル等、7つの取り組み分野において、67事業者(延べ89事業者)が参画し、事業化に向けた検討を進めている。

サーキュラーエコノミーの実現につながる取り組みがさらに広がり、多様な資源の循環利用が進むことが期待される。

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(※画像の出典:愛知県)