ダイキン工業、信越化学工業、日立製作所、東京エコリサイクルの4社は4月14日、業務用エアコンの圧縮機に含まれるレアアース磁石のリサイクルに向けた協創を開始した。AIの画像認識技術とロボットを活用し、分解・磁石の磁力を取り除く脱磁・磁石取り出しの工程を自動化・効率化する。

今回の取り組みでは、修理や分解・点検に伴い交換される業務用エアコンの圧縮機を回収し、そこに使用されているレアアース磁石を再資源化する国内初の循環スキームの構築を目指す。ダイキンが圧縮機を回収し、東京エコリサイクルが分解・脱磁・磁石の取り出しを担い、信越化学が再生材を用いて新たな磁石を製造する。日立はAIやデジタル技術を活用し、工程全体の効率化とデータ管理を支援する。

特に、型式ごとに異なる分解プロセスに対してAI画像認識とロボットを組み合わせることで、自動化と最適化を実現する点が特徴だ。さらに、脱磁工程では、磁化の共振現象を活用した手法を採用し、CO₂を直接排出しない形で環境負荷の低減も図る。

回収から分解、品質評価までの一連のプロセスをデータで一元管理することで、トレーサビリティの確保と資源利用の最適化を目指す。2026年中に自動化装置の開発を進め、2027年から本格稼働を開始する予定だ。

背景には、家庭用機器では家電リサイクル法により回収スキームが確立されている一方、業務用機器では制度や仕組みが未整備であり、今回の取り組みはその空白を埋める動きとも位置付けられる。

資源安全保障の観点からは、レアアースのリサイクル重要性が高まっていることがある。また、回収から再資源化までをデータで管理する仕組みは、将来的な欧州の規制対応など、グローバルな競争力維持にも直結する可能性がある。今後は、同様のビジョンに賛同する企業との連携を広げ、新たなビジネスモデルとして展開していく方針だ。エアコン業界にとどまらず、製造業全体の資源循環と脱炭素化への波及も期待される。

【プレスリリース】業務用エアコン圧縮機のレアアース磁石リサイクルに向けた協創を開始
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※冒頭の画像はプレスリリースより引用