Circular Economy Hubを運営するハーチ株式会社が、2023年4月に公益性の高い企業に与えられる国際認証「B Corporation™」(以下、B Corp™認証)を取得しました!

当社はこれまで「Publishing a better future(よりよい未来を、みんなに届ける)」をミッションに掲げてさまざまなWebメディアを運営してきましたが、頑張ってきた社内メンバーはもちろん、ご協力いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。

▶︎ B Corporation – Harch Inc.

B Corp™認証取得の経緯

ハーチ株式会社は2015年12月の創業以来、サステナビリティ領域に関する専門性とグローバルなネットワーク、Webメディアの構築力を強みに、サステナブル・ビジネス、サーキュラーエコノミー(循環経済)、英語教育、金融、サステナブル・ライフスタイル、サステナブル・ツーリズムなど複数領域において現在9つのWebメディアを開発・運営しています。

メディア運営にあたっては「コンストラクティブ・ジャーナリズム(建設的ジャーナリズム)」の考えを重視し、社会が直面する課題だけではなく解決策にも焦点を当てながら、情報発信を通じて個人と社会にポジティブなインパクトを生み出すことを目指してきました。

2020年以降は、社会をよりよくする優れたアイデアを形に変えていくために、企業・自治体向けのサステナビリティ・サーキュラーエコノミー支援事業を開始。2021年には欧州在住メンバーによる事業組織「Harch Europe(ハーチ欧州)」を設立し、欧州企業との連携によるイベント企画や現地の取り組みに関するリサーチ・レポーティング、視察手配、メディアを通じた情報発信などを通じてサステナビリティの文脈から欧州と日本をつなぐ役割を果たしています。

当社では、これらの事業と連動する形で自社のサステナビリティ推進に取り組んでいましたが、その中で新たなサステナビリティ経営の実現に向けたガバナンス・マネジメントツールおよびステークホルダーの皆様とのコミュニケーションツールとしてのB Corp認証の可能性に着目し、2019年より認証取得に向けた活動を開始。社内外の様々なステークホルダーの皆様からご協力をいただき、今回の取得にいたりました。

ハーチ株式会社の社内合宿の様子

B Corp™認証とは?

B Corp™認証は、社会や公益のための事業を行っている企業に発行される国際的な民間認証制度です。アメリカ・ペンシルベニア州に拠点を置く非営利団体B Lab™が2006年から運営しており、独自の指標であるBIAスコアを基に認証を行っています。

主な取得企業にはアウトドアブランドのpatagonia(米)、食品メーカーのダノン(仏)、靴メーカーのAllbirds(米)などがあります。2023年5月8日現在、世界の取得企業は6,400社以上ですが、日本の取得企業は23社となっています。

ハーチ株式会社のこれまでの取り組み

ハーチ株式会社は、B Corp™認証において総合評価(BIAスコア)101.3点を獲得しました(80点以上で取得)。評価にもつながった弊社の取り組みの一部について、サステナビリティの重点項目にしているPeople(社会)、Planet(環境)、Prosperity(持続可能な成長)の3つの視点でご紹介します。

People(社会)

地域コミュニティとの共創

神奈川県横浜市における地域循環経済推進メディア・プラットフォーム「Circular Yokohama」では、行政、地域企業、地域の教育機関、リビングラボ、NPO、市民の皆様など多様なステークホルダーの方々との産官学民共創により、循環をテーマとするイベントやワークショップ、学習プログラム、展示会の企画・運営、各種プロジェクトを展開しており、地域の皆様とともに循環型都市への移行に取り組んでいます。

横浜発の循環経済や地産地消に関わるプロダクトやサービスを集めた移動式ミュージアム「YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM」

キズキ・ビジネスカレッジとの共創

社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」では、うつや発達障がいを持つ方向けのビジネススクール「キズキ・ビジネスカレッジ」と連携し、受講生の方に記事を執筆いただく代わりに編集部スタッフがプロの視点からキャリアアップにつながるライティングや翻訳スキル向上をサポートする仕組みを構築し、相互に恩恵を受けられる形でメディア運営に取り組んでいます。

学校教育への貢献

キャリア教育の一環として、サステナビリティやサーキュラーエコノミーなどをテーマとする学校での出張授業や修学旅行のコーディネート支援、大学との共同プロジェクトなどを実施しています。これまでに国内外の小学校・中学校・高校・大学含め10以上の教育機関において生徒の皆様の学習支援を行ってきました。

横浜市にある瀬ケ崎小学校にて、環境問題やSDGsについての授業を実施

自分らしさを活かしあうためのピアボーナス「GIFT」

社員同士が感謝のコメントと共にボーナスを送りあうピアボーナス制度「GIFT」を運営しています。「GIFT」という名前には、お互いに贈り合うコメントを通じて自分に与えられた「GIFT(才能)」を発見してほしいという思いが込められています。GIFT内で獲得したポイントは会社の営業利益と連動しており、営業利益の2%を原資として獲得ポイントに応じたボーナスを配分しています。

Planet(環境)

ゼロカーボン

2019年度よりカーボン・ニュートラル(Scope1・2)を実現しており、2020年度からは、Webメディア運営に伴うサーバーの電力使用や取材活動のための移動に伴うCO2排出なども含め、温室効果ガスの排出削減およびカーボンオフセットを通じてScope3も含めてカーボン・ニュートラルによる事業運営を行っています。また、2020年4月からはフルリモート勤務となり、電力使用がオフィスから従業員の自宅へと移転したことを受け、現在では再エネ100%電力を自宅で導入した社員・パートナーへの補助も行っています。

さらに、自社のみならず業界全体における脱炭素の実現に向けて、「IDEAS FOR GOOD」では「Sustainable Web Design(サステナブル・ウェブ・デザイン)」をテーマとするイベント・セミナーや、株式会社メンバーズとの共同により創造力で気候危機に立ち向かう「Climate Creative(クライメイト・クリエイティブ)」などの企画を展開しています。

ゼロウェイスト

サーキュラーエコノミーに関わる情報発信や事業支援、まちづくりに加え、自社の事業運営におけるゼロウェイストを目指して、「可燃ごみゼロ」を目指すゼロウェイスト・チャレンジ、ゼロウェイストの実現に向けた社内ワークショップ、コンポスト座談会などを実施。現在はリモートワークが中心のため、社員の自宅から出る有機ゴミのコンポスト費用補助などを行っています。

Prosperity(持続可能な成長)

寄付プロジェクト「UU Fund」

2020年度から、ハーチが運営するWebメディアの1UU(ユニークユーザー)につき0.1円をNPO団体に寄付する取り組み「UU Fund」を運営しています。読者を増やせば増やすほど、環境や社会がよりよくなっていく仕組みを作りたいという思いからスタートしました。この仕組みにより、読者はただ記事を読むだけで社会貢献をすることができます。寄付先については各メディアの編集部メンバーが丁寧に候補先を選定し、議論の上で決定しています。2021年度は総額2,236,674円を38団体に寄付しました。

ハーチ株式会社 代表取締役 加藤佑のコメント

このたび、ハーチ株式会社としてB Corp™認証を取得し、B Corp™コミュニティの一員になれたことを心より嬉しく思っています。今回のB Corp™取得は、日頃より弊社の事業を支えてくださっている読者やパートナー、お取引先の皆様なくしては実現しえなかったものであり、皆様にはこの場を借りて心より感謝申し上げます。

B Corp™の認証プロセスを通じ、企業として取り組むべき課題も多く明らかになりました。また、自社の存在意義や組織のあり方を見つめ直す非常に良い機会となりました。今回の認証取得を第一歩として、真に社会全体の未来に前向きな変化をもたらすことができる企業となるために、引き続きメンバー一同努力を重ねてまいります。

今後に向けた課題

B Corp™認証の取得は会社にとっての大きな一歩となりますが、一方では、事業が生み出す環境・社会インパクトの可視化、社員およびパートナー、ステークホルダーの皆様のウェルビーイングを実現する事業・組織運営のあり方、サステナビリティ価値と経済的価値の統合など、環境・社会・経済の全ての側面において様々な課題に直面しているのが現状です。

今後も、「本当によい会社とは何か?」を皆様と共に問い続けながら、B Corp™コミュニティの一員として事業活動に取り組んでまいります。

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「IDEAS FOR GOOD」からの加筆・転載記事となります。