カナダプラスチック協定(CPP)はこのほど発表した2023-24年インパクト報告書で、プラスチック包装の削減・リサイクル推進に向けた2023年の成果と進捗状況を公表した。2025年までのロードマップでは4つの目標を掲げており、協定に参加するパートナーは目標に向けた進捗を測定するデータを共有する。各目標に対する2023-24年の進捗状況は以下の通り。
目標1:不要で問題のあるプラスチック包装のリストを定め、排除する措置をとる。
進捗状況:協定は、2024年4月に「不要で問題のあるプラスチックの排除を支援するガイダンス文書」を公表した。2023年、CPPに署名したパートナーのうち、プラスチック包装に問題のある10品目が残っているのは4%となった。
目標2:すべてのプラスチック包装がリユース可能、リサイクル可能、または堆肥化可能に設計される取り組みを支援する。
進捗状況:2023年、CPPパートナーによって上市されたプラスチック包装は前年に比べて増加し、50%がリユース可能、リサイクル可能、または堆肥化可能に設計された。
目標3:少なくとも50%のプラスチック包装をリサイクルまたは堆肥化するよう行動する。
進捗状況:2022年の全国平均リサイクル率は前年に比べ16%と低下した。リサイクル率を部門ごとに見ると、公共施設、商業、製造業は11%、住宅部門は17%、デポジット・リターン・システムは60%となっている。
目標4:すべてのプラスチック包装において、再生材を平均30%以上(重量比)使用する。
進捗状況:2023年、CPPパートナーのプラスチック包装におけるポストコンシューマーリサイクル(PCR)含有量(重量比)は10%となり、前年に比べ減少した。報告書の分析によれば、PCRの供給が限られることや、バージン樹脂に比べて再生材価格が高いことが原因である。
CPPは、プラスチックの完全な循環経済を実現するまでの道のりは長いものの、100以上のパートナーが不要で問題のあるプラスチックを排除し、包装の設計、再生材使用増加等の対策に取り組んでいるため、目標実現に対して前向きに捉えている。
2025年目標はエレン・マッカーサー財団のグローバル・コミットメントから採用したもので、カナダでプラスチックの循環経済実現の基盤となる。今後、CPPは2035年に向けたロードマップ(Roadmap to 2035)を提示する予定。
【参照サイト】Canada Plastics Pact 2023-24 Impact Report highlights progress and challenges towards transitioning to a circular economy for plastics – Working together for a Canada without plastic waste or pollution.
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