1月31日にポルトガルの首都ポルトで開催されたシティフォーラムの中で、「Circular City Funding Guide」のローンチが発表された。同ガイドは自治体や企業、また都市で暮らす市民のサーキュラーエコノミーへの移行をサポートするオンラインプラットフォームだ。Urban Agenda Partnership on Circular Economy主導の下、EIB(欧州投資銀行)、およびThe European Investment Advisory Hubから召集された外部専門家によって開発された。サーキュラーエコノミーに特化した資金援助プログラムの数やその認知度が不十分となっていることを背景に、有益な情報の提供や資金ギャップを埋めていくことを目的としている。

このガイドでは資金供給する側と受ける側の両方へサービスを展開する。資金を必要とする都市(自治体や企業)に対しては資金調達ソースの紹介やそれを受けるための具体的な条件などの情報を提供し、一方の投資家に対しては各サーキュラーエコノミープロジェクトをどのように審査、選択し、その後モニタリングやサポートを行っていくかといった知識を伝えていく。

またウェブサイトにはサーキュラーエコノミー分野におけるフロントランナーのストーリーや100以上に及ぶ資金源、資金援助プログラムの立ち上げ方法といった豊富な情報が掲載されているほか、ユーザーは数多くのケーススタディや専門用語集、総合資料ライブラリーも閲覧することもできる。

欧州投資銀行副会長で気候・環境を担当する Emma Navarro氏は「ヨーロッパの人口全体の75%は都市に住んでいる。人やビジネス、物流の流れが都市に集中しているため、この条件はサーキュラーエコノミーに向けてこの上ない原動力となるだろう。The Circular City Funding Guideは都市における様々なサーキュラーエコノミープロジェクトを軌道に乗せるため、豊富な資金調達ツールを提供している。廃棄物を最小限に抑え資源の再利用を促進すれば、都市からの二酸化炭素排出量は削減され、より良い環境に貢献していくこととなるだろう」と語る。

サーキュラーエコノミーへの移行を実現するためには、サーキュラーエコノミー関連プロジェクトに対するお金の流れをスムーズにするための情報整備が不可欠だ。今回のガイド公表をきっかけにさらに多くの資金が流入することを期待したい。

【参考記事】New online platform to help urban circular economy projects get off the ground
【参照サイト】Circular City Funding Guide