株式会社エアークローゼット(以下、エアークローゼット)はこのほど、2021年9月より資本提携を結んでいた住友商事株式会社(以下、住友商事)と、長期的なサーキュラーエコノミーを推進していくパートナーとして業務提携を開始した。
⾐服廃棄ゼロ実現を⽬指し、エアークローゼットは2014年の創業以来、シェアリングを軸に洋服を循環させる基盤を構築し、サーキュラーエコノミーを推進してきた。シェアリングは、コンサルティングファームのアクセンチュアが定めるサーキュラーエコノミー型の5つの事業モデルの一つだ。
サーキュラーファッションは「洋服として活躍できるものはそのまま洋服として最⼤限活⽤する」ことであるとの考えをもとに、同社は⽉額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』を2015年に開始。2020年からは、レンタル提供が終了したアイテムを販売する「エコセール」と、姉妹サービスの提案型ファッションEC『airCloset Fitting(エアクロフィッティング)』で試着のみされた返却アイテムの『airCloset』内シェアリングの取り組みを実施している。2022年2月には、ファッション事業における衣服廃棄ゼロを達成した。
今回、サーキュラーエコノミーの推進を加速するべく、エアークローゼットは住友商事との業務提携に至った。住友商事は資源の持続可能な利用の取り組みにおいて幅広いネットワーク・知見・技術を持ち、メディアおよび小売事業分野の顧客基盤とソリューション力を有するとエアークローゼットはみている。エアークローゼットは同提携により循環型事業を拡大し、ファッション・家具家電領域で以下のような取り組みを展開することで、日本におけるサステナブル消費の定着を目指す意向だ。
- ファッション領域:制服のレンタル・クリーニングなどの法人向け事業を企図する。住友商事の国内外のネットワークを活用し、新たな提携ブランドの開拓を推進する
- 家具家電領域:メーカー公認月額制レンタルモール『airCloset Mall(エアクロモール)』において、新たな提携メーカーの開拓をはじめとしたマーケティング連携を推進する
高い環境負荷が解決するべき課題とされているこれらの領域における両社の業務提携が、業界のサーキュラーエコノミー移行に貢献していくことが期待される。
特に制服は、頻繁に着用すると劣化してしまったり、組織独自のデザインが施されていたりするため、通常は焼却もしくは埋め立て処分されており、衣類としての再利用が難しいことが指摘されている。この課題を解決するべく、制服のサーキュラーエコノミー移行に向けて、マテリアルリサイクルによる再資源化などの取り組みが進められているほか、デパートや銀行などでは制服を廃止して私服勤務を採用する動き(男女平等や企業のコスト削減などの理由もある)も進んでおり、今後の動向が注目される。
【プレスリリース】エアークローゼットが住友商事と業務提携、長期的なサーキュラーエコノミーの推進を図る
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*冒頭の画像の出典:株式会社エアークローゼット