住友精化は6月15日、使用済み紙おむつのリサイクルにおいて、再資源化が課題となっている吸水性樹脂を対象に、化学的に分解・再合成する技術の工業化に向けたパイロット設備が姫路工場で稼働を開始したと発表した。
環境省によると、日本では高齢化の進行に伴い紙おむつの消費量が増加しており、一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合は2030年度頃に約7%に達すると見込まれている。現在、多くの使用済み紙おむつは焼却処分されているが、焼却量の削減や資源循環の推進に向けてリサイクルの取り組みが進められている。
今回稼働したパイロット設備では、使用済み紙おむつから回収した吸水性樹脂について、ポリマー同士のつながり(架橋構造)を化学的に分解し、いったん原料となるポリアクリル酸の状態に戻す。その後、不純物を取り除き、再び架橋して吸水性樹脂として再生するプロセスを検証する。

同社によると、これまでの実験では再生吸水性樹脂の保水性や加圧下での吸水性などが、紙おむつ向けに製造・販売している吸水性樹脂と同等の性能を示したという。
今後は再生吸水性樹脂の品質や安全性の評価に加え、再生プロセスの確立やCO₂排出削減効果の実証を進め、2026年度中の完了を目指す。また、環境負荷については、早稲田大学 伊坪徳宏研究室がパイロット設備で得られたデータを基にライフサイクルアセスメントを実施する予定だ。
同社は2030年度の社会実装を目標に掲げており、パートナー企業や自治体などと連携しながら、使用済み紙おむつの回収・リサイクルシステムの構築を進めていくとしている。
国内では、ユニ・チャームなどが使用済み紙おむつの水平リサイクルに取り組んでいるが、吸水性樹脂そのものを化学的に再生し、再び原料として利用する技術の導入事例はまだ限られている。
※画像はプレスリリースより引用
【プレスリリース】吸水性樹脂リサイクル技術のパイロット設備稼働のお知らせ
【プレスリリース】吸水性樹脂リサイクル技術のパイロット設備稼働のお知らせ
【参照サイト】環境省 紙おむつリサイクル関連
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