クラウドサービスを手がける米ドロップボックスは8月4日、2030年に向けたサステナビリティ目標を発表した。

同社は以前から気候変動対策に積極的に取り組んでいるが、同目標を達成することがこれまで以上に重要だと強調した。内容は以下の通りだ。

  • 事業において、100%再生可能エネルギーを調達する
  • スコープ1、2、3のすべてのビジネス出張におけるカーボンニュートラルの達成
  • 気候変動対策に取り組む組織を支援する
  • 従業員はボランティア活動休暇を利用し、環境活動に参加することを促す

データセンターは、2018年の世界の電力消費量の1%以上を占めた。同社は2030年までにデータセンター含め、事業に関わる全ての電力を100%再生可能エネルギーで調達することを表明。データセンターの規模は今後も拡大していくと予想されるが、SMRなどの技術を用いて、エネルギー使用量を抑えた形でストレージ容量を増やす方法も模索している。

また、従業員の日々の働き方にも焦点を当て、社員がより効率的にリモートワークを実施できる方法を検討し、なるべく出張を減らすことを方針としている。

今回の新たな目標に関して、同社の最高法務責任者兼ドロップボックス財団代表のバート・ヴォルマー氏は次のように述べている。

「私たちは組織として、より持続可能な未来を創ることに大きな責任を感じています。この取り組みは小さな一歩かもしれませんが、これが他方面にも影響を与え、気候変動に対するより正しい行動につながることを願っています」

なお、ドロップボックスには、社内のサステナビリティに対する意識の向上を図る「Planet DBX」という団体があり、約130人の社員が参加している。社員によって立ち上げられたこの団体は、社内向け年次イベントの開催や、一部のオフィスから使い捨てプラスチックを根絶する取り組みなどを行い、同社全体でサステナビリティを大切にする文化の醸成に貢献している。

先述したようにデータセンターにおけるエネルギー使用量は大きく、CO2排出削減の余地が大いにある。いかに同社が目標達成していくか、注目していきたい。

【参照記事】Dropbox sets sustainability goals for 2030
【参考記事】​​How Planet DBX is working to increase sustainability at Dropbox