環境省は5月30日、CO2排出削減が困難な産業(Hard-to-Abate産業)や革新的GX製品分野における資源循環設備導入を支援する「令和7年度先進的な資源循環投資促進事業」の間接補助事業者公募を開始した。本事業の執行は、公益財団法人廃棄物・3R研究財団が担う。
本事業は、先進的な資源循環技術・設備に対する実証・設備導入支援を行い、リサイクルを実施することで、一足飛びに脱炭素が困難なHard-to-Abate産業に再生素材を供給する事業や、GX移行に必要な革新的な製品の原材料を供給する資源循環の取組を支援する。これにより、国内資源の確保による安定的な生産活動に貢献し、再生材使用という付加価値を脱炭素投資によって市場に供給された製品・サービス(GX製品)に付与することで、製造業の国際的な競争力の確保を目指す。サーキュラーエコノミーへの移行と資源循環分野の脱炭素化の両立を推進し、日本産業のGX(グリーン・トランスフォーメーション)実現を支えることを目的としている。
公募する補助対象事業は、上記のいずれかのテーマに係る実証や設備導入を行う事業だ。社会実装後に得られる年間処理能力として、廃プラスチックは原則1万トン以上、金属(e-scrap・蓄電池)は2020年に比して2030年に概ね処理量を2倍以上とする計画、廃油は1万キロリットル以上であることが求められる。補助対象となる経費は、事業に必要な設備機械装置費および建物費だ。
応募申請できるのは、民間企業、独立行政法人、地方独立行政法人、一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、その他環境大臣の承認を得て補助事業者が適当と認める者だ。公募期間は5月30日から7月4日正午までとなっている。申請はjGrantsを通じて行う。
本公募に関する説明会も開催される。東京会場は6月16日に公益財団法人廃棄物・3R研究財団で、同日WEBでも開催される。福岡会場は6月18日にTKP博多駅前シティセンターで、大阪会場は6月19日にTKPガーデンシティ新大阪で開催予定だ。各会場の定員は約20名で、参加には事前の申し込みが必要となる。申し込み期限は、全会場およびWEBともに6月13日正午までだ。
今回の補助金公募は、国のGX戦略推進の一環として、特に排出削減が難しい産業分野や、成長が期待されるGX製品市場における先進的なリサイクル技術および資源循環システムの導入を促進するものだ。公募内容の詳細や対象となる設備については、公益財団法人廃棄物・3R研究財団のウェブサイトで公開されている公募要領で確認する必要がある。
【プレスリリース】令和7年度先進的な資源循環投資促進事業の公募について」
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