株式会社ファミリーネット・ジャパン(FNJ)とレコテック株式会社は7月11日、千葉県船橋市のマンションの家庭から排出される廃棄物データの取得と、使用済みハブラシの回収・マテリアルリサイクルを効率化する実証実験を開始したことを発表した。本実証実験は2024年7月1日から2025年1月31日まで実施される予定。

実証実験の背景には、エネルギー消費に伴うCO2排出量の抑制や資源循環の仕組みの構築が急務となっている現状がある。商業施設や業務用ビルでは取り組みが進んでいるが、家庭から出る廃棄物の分別回収・リサイクルにはコスト負担の課題があり、取り組みの実現や、十分な量の回収が難しいという課題があった。

そこで実証実験では、マンション入居者の負担軽減を図り、リサイクル対象となる廃棄物を限定する。効率的に廃棄物の排出量やCO2排出量を把握し、リサイクルの仕組み構築に取り組むことで、持続可能なマンション運営を目指す。

具体的には、レコテックが提供するサーキュラーエコノミーのためのデータプラットフォーム「pool」を使用し、廃棄物の見える化を図る。可燃ごみや不燃ごみ、びん、かん、ペットボトルなどの回収資材に応じた廃棄物の重量を計測。そのデータを「pool」に登録することで、廃棄物の排出量の推移やリサイクル率、処理にかかるCO2(スコープ3カテゴリ5)を確認できる仕組みである。

また、ライオン株式会社が提供するハブラシ・リサイクルプログラムにより、使用済みハブラシを回収・リサイクルし、植木鉢などの新しいプラスチック製品に生まれ変わらせる。マンション内にハブラシ専用の回収ボックスを設置し、廃棄物の見える化と効果的な資源循環を実現する。

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(※画像の出典:株式会社ファミリーネット・ジャパン)