国連世界観光機関(UNWTO)および国連環境計画(UNEP)が主導するグローバル・ツーリズム・プラスチック・イニシアチブ(Global Tourism Plastic Initiative)は7月22日、新型コロナウイルスの感染拡大に直面するなか、世界の観光業がプラスチック汚染対策をどのように継続できるかを示した行動計画を発表した。

同行動計画『コロナ危機からの復興期における、観光業のためのプラスチック汚染対策推奨事項(Recommendations for the Tourism Sector to Continue Taking Action on Plastic Pollution During COVID-19 Recovery)』は、次の5項目を主な推奨事項として挙げている。

  1. 接触や交差汚染を避けるために、不要なプラスチック包装およびプラスチック使用量の削減
  2. 再利用モデルの採用を促すような衛生手順の確立
  3. やむを得ないプラスチック包装の利用やリサイクル可能性を再評価し、日常場面での必要性を再検討する
  4. サプライヤー・廃棄物処理業者・地方自治体などの行政の活動・協働の促進やレジリエンスを高めることに関与する
  5. 従業員・顧客間のコミュニケーションによる透明性確保

UNEP経済局長Ligia Noronha氏は、「われわれは、自然環境を汚染せずに効果的な衛生対策を確実に実施するために、科学に基づいてアプローチし、政府・民間企業・地域社会を支援する必要がある」と述べた。

グローバル・ツーリズム・プラスチック・イニシアチブには、世界的な観光企業のアコーやクラブ・メッド、イベロスター・グループなどが公式に署名しており、プラスチック汚染への取り組みを強化する。また、世界自然保護基金(WWF)は、同イニシアチブの諮問委員会のメンバーで、最新の推奨事項を示している。

このイニシアチブは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」を実現することを目的とした、持続可能な観光プログラムの枠組みで開発された。また、エレン・マッカーサー財団とも協働関係にある。全署名企業はこちらより閲覧が可能だ。

 

【参照記事】TOURISM SECTOR TO CONTINUE TAKING ACTION ON PLASTIC POLLUTION
【参照レポート】RECOMMENDATIONS FOR THE TOURISM SECTOR TO CONTINUE TAKING ACTION ON PLASTIC POLLUTION DURING COVID-19 RECOVERY
【参照ページ】Global Tourism Plastics Initiative Signatories