環境省はこのほど、食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業に採択した26件を発表した。
食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業は、環境配慮製品・サービスの選択などの消費者の環境配慮行動に対して、企業や地域などがポイントを発行する取り組みを支援することを目的とする。同事業実施の背景は、消費ベースで日本の温室効果ガス排出量において約6割が家計に起因していることだ。同事業は、消費者が環境配慮に取り組む長所を身近なところで実感できるような環境を醸成し、脱炭素型の生活様式への転換を加速することを目指す。
2022年3月31日~5月18日、同事業の執行団体である一般社団法人地域循環共生社会連携協会が1次公募を実施し、33件の応募から全国規模事業9件、地域規模事業17件の計26件を採択した。26件は、蓄電池ユーザーの節電協力、PPA方式による太陽光発電設備の導入、省エネ家電の購入、小型家電回収への協力、プラスチック製のカトラリーやホテルのアメニティの辞退、プラスチックハンガーの返却、配送資材の省資源化、サステナブルファッション・リユース衣類の購入、消費・賞味期限間際の食品の購入、農産物の地産地消、ゼロカーボンベジタブルの購入、公共交通機関やEVシェアの利用、公共交通機関と再エネによるゼロカーボン・ドライブを組み合わせたツアー(ゼロ旅)、再エネ電力導入施設への宿泊、飲料容器のリユース・リフィルなど、さまざまだ。採択された26件は以下のとおり。
- ショッピングセンター・スーパーマーケットなど:イオンモール株式会社、株式会社アッシェ、株式会社エーコープ近畿
- Eコマース:楽天グループ株式会社
- 電力:東京電力エナジーパートナー株式会社
- ポイントサービス:株式会社NTTドコモ
- 金融機関:飛騨信用組合
- 食:株式会社クラダシ、ZERO株式会社、富山県、株式会社永島農縁、株式会社Opening Line
- 移動:一般財団法人塩尻市振興公社、Zenmov株式会社
- 3R:株式会社フィルズ、株式会社土と野菜
- 地域におけるさまざまな取り組みなど:堺市、北九州市、特定非営利活動法人アースライフネットワーク、一般社団法人あきた地球環境会議、特定非営利活動法人Yokotter、株式会社アルテ、株式会社HYAKUSHO、株式会社アドバンテック、株式会社こはく、認定特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワーク
なお、6月24日まで2次公募を実施している。
消費ベースで日本の温室効果ガス排出量に占める家計の内訳は、住宅17%・食12%・移動12%・消費財10%・レジャー5%・サービス5%で、同事業で採択された26件はこれらの分野を網羅している。同事業が、消費者の環境配慮行動促進と脱炭素型の生活様式への転換加速に貢献していくことが期待される。
【プレスリリース】食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業の採択案件について
【参照サイト】第2節 気候変動問題の影響
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