ドイツの化学・消費財メーカー大手のヘンケルは3月23日、サーキュラーエコノミーの促進に向けてパッケージに関する2025年までの新たなサステナビリティ目標を公表した。

2025年までに同社のパッケージを100%リサイクルまたは再利用可能にするほか、一般消費財用パッケージについては化石由来のバージンプラスチックを50%まで削減する。

ヘンケルはサーキュラーエコノミーへの移行を進めており、パッケージ素材をできる限り長く経済サイクルの中に循環させ、自然界への流出を防ぐことを目指している。同社はすでに持続可能なパッケージの分野において先進的な取り組みを行っており、リサイクルプラスチックの割合を増やしているほか、パッケージの一部は100%リサイクル素材に切り替えている。今回公表した新たな目標のもと、循環型モデルの実現に向けて持続可能な資源由来の素材利用やスマートデザインの開発に取り組んでいく。

ヘンケルにて人事担当副部長およびサステナビリティ評議会会長を務めるSylvie Nicol氏は、「パッケージとプラスチックはこれまで以上にビジネス、政府、世間からの注目を集めており、自然界に残るプラスチックは最も大きいグローバルな課題のひとつである。サーキュラーエコノミーの促進のために、私たちのパートナーとより力を合わせていく」と語った。

今回ヘンケルが公表した3つの目標の具体的な内容は以下の通りだ。

100%リサイクルまたは再利用可能:2025年までにすべてのパッケージ材料をリサイクル、再利用可能とする。現在ヘンケルの使用する材料の85%で実現しているが、多層でフレキシブルなパッケージやブラックパッケージの導入などにより、パッケージカテゴリーごとによって異なるリサイクル障壁の克服を目指す。

化石由来プラスチックの50%削減:グローバルにおける消費材のリサイクル素材割合を30%以上にまで増やすほか、バイオ由来プラスチックの使用により、ビューティケア、ランドリー&ホームケア部門で化石資源からのバージンプラスチックの量を50%まで減らすことを目指す。

廃棄ゼロ:自然界に流出するプラスチックをなくすため、廃棄物の回収とリサイクルの取り組み、循環型リサイクルの促進に向けた革新的なソリューションや技術への投資の支援をしているほか、リサイクルや廃棄物回収に関する情報提供やパッケージ上のアイコンなどを通じて、消費者の責任ある製品使用も支援していく。

私たちの生活に欠かせない日用品のパッケージなどには多くのプラスチックが使われており、それらが環境に悪影響を及ぼしていることが社会問題となっている。ヘンケルのような大手化学・消費財メーカーがサーキュラーエコノミーの実現に向けた野心的な目標を掲げることで、より多くの企業がこの流れに追随することを期待したい。

【参照記事】Henkel will reduce fossil-based virgin plastic by 50 percent