ジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)はこのほど、ファッション産業における政策提言書を消費者庁・経済産業省・環境省に提出し受理された。

提言書は、繊維製品の資源循環システムと情報連携の改善を目的としている。

JSFAはサステナブルなファッション産業への移行を目指し、2021年8月にファッション・繊維企業11社が設立。2024年8月時点で正会員22社、賛助会員43社を有し、パブリックパートナーは上述の3行政機関と京都市だ。

提言書の概要は、下記のとおり。

繊維製品における資源循環システム検討会報告書」への意見

2023年9月、経産省は同報告書を公表した。報告書に記載されている使用済み衣類の資源循環における各工程について、衣類の循環利用・資源回収の仕組みづくり・循環経済市場活性化に資する取り組みを国や自治体を含む社会全体で展開することを提言する。

使用済み衣類回収工程では、官民連携による回収基準の設計や、使用済み衣類の資源としての取扱いに関する統一した法的見解を求める。

選別工程に関しては、今後予測される回収量増加や労働人口減少を考慮すると、自動化・機械化が必須だ。高度な自動選別技術の開発が不可欠であることから、企業や研究機関への研究費補助や新技術導入における政府支援の検討を要請する。

繊維産業における資源循環にかかわる情報連携などの要請

繊維産業における資源循環に関する技術や国際的ルールは変化していることから、業界の実態に則した支援や制度を官民連携で整備するべく、事業者との定期的な意見交換によって最新情報を共有することを求める。

繊維製品の資源循環に向けては、政府主導のもとさまざまな組織が取り組みを進めている。EUが計画する繊維業界へのデジタル製品パスポート導入や、ファッションブランドと繊維メーカーへの拡大生産者責任(EPR)適用などがその好例だ。同提言書をはじめとする複数の考察を参考に、官民連携で全ステークホルダーが国内外の最新の取り組みを広く共有し、循環移行を推進していくことが期待される。

【プレスリリース】「ファッション産業におけるサステナビリティ推進に向けた政策提言書」提出のお知らせ
【プレスリリース】ジャパンサステナブルファッションアライアンス「ファッション産業におけるサステナビリティ推進に向けた政策提言書」提出のお知らせ
【関連記事】ファッション・繊維企業11社、「ジャパンサステナブルファッションアライアンス」を創設。ファッションロスゼロを目指す
【関連記事】アパレル業界のデジタル製品パスポート、2030年に625億件に。ABI Research予測
【関連記事】EU理事会、廃棄物枠組み指令改正案に対する立場を採択
【関連記事】【8/29開催】「サーキュラーファッションの現在地〜法規制・ビジネス・技術のここ2,3年の動向から」オンラインイベントCircular X〜