2022年4月、プラスチックごみ削減とリサイクル促進を目的とする新たな法律「プラスチック資源循環促進法」が施行された。

同法の施行により、弁当や飲み物と一緒にプラスチック製のスプーン・フォーク・ストローなどのカトラリーを提供しているコンビニエンスストアは、さまざまな取り組みを実施している。

ファミリーマートは、コンビニ業界初の取り組みとして、2024年1月29日から全国の直営店100店舗で使い捨てプラスチック製のスプーン・フォーク・ストローを有料化。このほど、同取り組みによるプラスチック削減状況に関する検証結果を発表した(データの対象期間は2024年1月29日~8月31日)。

対象店1店舗における1日あたりのスプーン・フォーク・ストローの合計提供本数は、有料化前は51.0本だったのに対して、有料化後は11.2本となり、39.8本(約78%)削減できた。

有料化による削減状況(提供本数)のまとめ

スプーン・フォーク・ストローの種類別提供本数では、ストローが最も削減率が高く、1店舗あたりの提供本数は有料化前と比べて83%削減。一方、カレーやスープなどに使うタイプのスプーンの削減率は71%だった。これは、購入後にすぐに職場や学校などの外出先で食べる人が多いことが影響しているのだろうと同社は見ている。

有料化の開始当初はスプーン・フォーク・ストローが「有料」であることを伝えるのみの告知だったが、有料化の目的を周知するため、6月下旬からは有料対象のプラスチック製カトラリーの価格に加えて、有料化の目的が「プラスチック削減」であることを掲示した。

これにより、来客者の多くから一定の理解と評価を得られることとなった。そして、いままで無料だったものに価格がついたことにより、家計のため、さらには環境のためにプラスチック製カトラリーを受け取るのを控えた人も多いのではないかと考えられる。

取り組み当初と変更後の売り場告知POP

コンビニ業界で使い捨てプラスチック製カトラリーの提供を有料化したのは、同社が初めてだったこともあり、売上への影響が見られた商品カテゴリーもあった。しかし、今回の取り組みの結果、カトラリーを有料化することはプラスチック削減につながることを確認できた。有料化を実施した一部直営店舗では、取り組みを継続するとしている。

プラスチックを削減するには、一人ひとりが意識し、行動することが大切である。この機会に、お気に入りのマイカトラリーを学校や職場に常備したり、バッグに入れて持ち歩いたりしてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】持続可能な資源利用と環境汚染の防止|ファミリーマート
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※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Life Hugger」からの転載記事です(一部表現を改変しています)。