京都市は8月3日、英サーキュラーエコノミー推進機関エレン・マッカーサー財団が主導する「フード・イニシアティブ(Food initiative)」への加盟を発表した。すでに取り組んでいる食品ロス削減への取り組みを発信するとともに、同イニシアティブ加盟都市の優良事例を同市の施策に生かすとしている。今回の加盟は、すでに同イニシアティブに参画している株式会社Mizkan Holdings(ミツカンホールディングス)からの打診によるもので、日本の自治体としては初となる。

同イニシアティブは、2019年1月に公表されたレポート「Cities and Circular Economy for Food」で展開された3つの柱(「環境再生型で生産された食の調達」「食品利用の最大化」「循環型で健康な商品や市場の設計」)の実現を目的として発足した。現在、ロンドン・ニューヨーク・サンパウロの3つの戦略的パートナー都市と約20都市(予定)や11の民間企業が加盟。約20の都市には、バルセロナ・リスボン・ミラノ・リオデジャネイロ・トロントなどが含まれる。なお今回、コロンビアの首都ボゴタの加盟も同時に発表された。

京都市は、「しまつのこころ条例」を具体化した「新・京都市ごみ半減プラン」のなかで、全国で初めてとなる食品ロス削減の数値目標を設定。2000年度の9.6万トンの食品ロスを2017年度に6.4万トンまで削減することを実現し、2020年度に5万トンの目標達成を掲げている。なお、2019年10月には「食品ロス削減全国大会」を開催するなど、食品ロス削減を全国へも発信している。

なお、今回の発表にあわせて、Mizkan Holdingsと「食品ロス削減に資する取組の連携に関する協定」を締結、同日に京都市役所で締結式が行われた。今後は、「京都の野菜を無駄なくおいしく食べ尽くす」プロジェクトや、京野菜を使った商品開発などを企画案として、具体的プロジェクトを進めるとしている。

Mizkan Holdingsは、「人と社会と地球の健康(環境)」「新しいおいしさで変えていく社会(社会)」「未来を変えるガバナンス(ガバナンス)」の3つのビジョンからなる「ミツカン未来ビジョン宣言」のもと、「ZENB  initiative」を推進している。その具体的商品として、普段は利用しない野菜の芯や皮、種などを可能な限りまるごと使い、すりつぶして固めたスティックタイプの食品「ZENB」を販売。食品ロス削減に向けた取り組みを始めとして、人や環境に負荷をかけない食生活を提唱している。

【京都市プレスリリース】エレン・マッカーサー財団フード・イニシアティブへの参画及び株式会社 Mizkan Holdingsとの「食品ロス削減に資する取組の連携に関する協定」の締結について
【エレン・マッカーサー財団プレスリリース】Bogotá and Kyoto join the Foundation’s Food initiative
【Mizkan Holdingsプレスリリース】ミツカングループが京都市と食品ロス削減に関する協定を締結 「京都の野菜を無駄なくおいしく食べ尽くす」 ~協働でエレン・マッカーサー財団のフードイニシアティブを推進~ 
【参考レポート】Cities and Circular Economy for Food
【参考】新・京都市ごみ半減プラン
【参考記事】食品ロス削減全国大会
【参考サイト】ZENB  initiative