株式会社マクニカは5月15日、東京都町田市立の総合病院である町田市民病院へ乾熱滅菌装置「メルトキングIOT」を提供し、運用を開始したことを発表した。この取り組みは、病院から排出されるゴミの減容化を通じて、廃棄コストとCO2排出量を削減し、同時に感染性廃棄物を無害化することを目的とする資源循環ソリューションの一環だ。
CO2排出量削減に積極的に取り組む町田市に位置する町田市民病院は、地域医療の中核を担う公的医療機関として、排出物の削減とCO2削減に向けた課題解決を模索していた。今回の「メルトキングIOT」導入により、病院内での廃棄物中間処理が可能となり、感染性廃棄物の無害化と70~80%の減容減量を達成する。これにより、廃棄物1トンあたりのCO2排出量も同様の比率で削減できる見込みだ。また、減容減量と無害化は、病院の支出削減にも大きく貢献することが期待される。

「メルトキングIOT」にはAI端末が実装されており、AIによる遠隔での故障事前予知や、CO2排出量削減のための処理レシピをディープラーニングによって適正化する機能を持つ。町田市民病院では、この取り組みを他の医療機関への参考とするため、域内の病院への説明会なども実施し、ゴミ問題の解決とCO2排出量の削減に積極的に取り組んでいる。
マクニカは、この町田市民病院での事例をもとに、全国の多くの病院に向けて、支出の大幅削減と地域課題の解決を両立する装置として「メルトキングIOT」の提案活動を推進していく方針だ。
【参照記事】病院で出るゴミを減らして廃棄コストとCO2排出量を大幅削減!マクニカと東京都町田市が、最新型ゴミ減容装置の運用へ。
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