米国に本拠を置く調査・コンサルティング会社のMarketsandMarkets™ が発表した市場調査レポート「電子廃棄物から回収される貴金属に関する2025年までの世界予測 出所別(家電、ITおよび電気通信事業、消費者向け電子機器)、種類別(金、銀、銅)、地域別」によると、電子廃棄物から回収される貴金属市場の規模は、CAGR(年平均成長率)4.6% で増加し、2020年の94億ドル(約9,700億円)から2025年までに118億ドル(約1兆2,200億円)に成長すると予測されている。

アジア太平洋地域の新興国における貴金属に対する投資の拡大、最終用途産業からの需要の高まり、および電子廃棄物が廃棄される前に処理することがより必要とされていることにより、電子廃棄物から回収される貴金属が増えると見られる。

銅の回収が最も増える

金属の種類別に見ると、2020年から2025年にかけて最も増えると予測されるのが銅である。銅は、建築、発電や送電、電子製品の製造、産業用機械および輸送用車両の生産に使用されるのに加え、配線や配管、家庭や企業で使用される電化製品、冷暖房システム、および通信機器などにも不可欠であることから、消費量が増加すると予測される。

家庭から出される電化製品からの金属回収が最も増える

金属の出所別に見た場合、家庭から出される電化製品からの回収が最も増えると予測される。家事や調理、清掃、食品保存などに使用される電気機械類が相当し、人口の増加や都市化、可処分所得の増加により家電の需要が拡大することが要因とされる。

アジア太平洋地域における金属回収が最も増える

地域別では、アジア太平洋地域における回収が最も増えると予測され、中でも中国・日本・韓国・台湾・マレーシアがこの増加を後押しする。 同地域の多くで、労働力や原材料が安価に手に入ることから電化製品や自動車が多く製造され、結果、この地域における貴金属の回収が増えるとされる。

電化製品からの貴金属の回収事業を行う主要企業の一部は以下のとおり。

Johnson Matthey Plc(英国)、Sims Limited(米国)、EnviroLeach Technologies Inc.(カナダ)、Umicore NV(ベルギー)、Materion Corporation(米国)、Boliden AB(スウェーデン)、DOWAホールディングス株式会社(日本)、Heraeus Holding GmbH(ドイツ)、TES-AMM Pte. Ltd.(シンガポール)、Metallix Refining Inc.(米国)、田中貴金属工業株式会社(日本)など。

【プレスリリース】Precious Metals E-Waste Recovery Market by Source(Household Appliances, It & Telecommunication, Consumer Electronics), Metal (Copper, Gold, Silver), & Geography – Global Forecast to 2025