メルカリはこのほど、東京大学インクルーシブ工学連携研究機構と共同でフリマアプリ「メルカリ」の取引を通じて発生した温室効果ガス(GHG)の削減貢献量を算出。日本と米国で合計で、東京ドーム約220杯分の容積に相当する年間約53万トンの温室効果ガスの排出を回避できたとする算出結果を公表した。

「衣類(レディース・メンズ・キッズ・ベビー)」、「スニーカー(レディース・メンズ・キッズ)」、「電子機器(PC・スマートフォン・タブレット)」、「本・漫画・雑誌」、「CD・DVD・BD(ブルーレイディスク)」という5つの商品カテゴリーを対象に削減貢献量を算出した。

カテゴリー別では、年間取引量が最も多い「衣類」単体で年間約43万トンの温室効果ガスの排出を回避。「衣類」の取引1件あたりの削減貢献量に換算すると、約9.3キログラムに相当する。

 

商品カテゴリー別に「メルカリ」の取引を通じて生まれた削減貢献量(同社プレスリリースより)

 

商品カテゴリー別 「メルカリ」の取引1件あたりの削減貢献量(同)

同社は今回の削減貢献量の算出に際して、当該カテゴリーで取引された商品が新品の代わりに利用されることで温室効果ガスの排出を回避できると仮定し、生産・流通・使用・廃棄などの製品ライフサイクルを考慮し、顧客同士の配送に係る温室効果ガス排出量やお客さまアンケート結果から算出した使用頻度や使用年数などを用いて推計したとしている。

「メルカリ」での出品を通じて年間約4.3万トンの衣類廃棄を回避

また、衣料の廃棄に伴う環境負荷が問題視されるようになっていることに関連して、メルカリで不要品が出品されたことで回避できた衣類廃棄量(重量)が日本国内で年間約4.3万トンだったことも明らかになった。これは日本で1年間に捨てられる衣類の重量(48万トン)の約9%に相当する。使わなくなった衣類を捨てずにリユースプラットフォームで出品したり購入したりすることが環境負荷を減らすことが改めて示された形だ。

メルカリは循環型社会の実現を目指して、事業活動を通じて取り組みを行っている。その一環として、東京大学RIISE社会連携研究部門「価値交換工学」と合同で、「メルカリ」の取引を通じて生まれた削減貢献量の算出を行った。

なお、「価値交換工学」は東京大学RIISEとメルカリの研究開発組織「mercari R4D」が世界中の人々がフェアでスムーズな価値交換を行える社会の実現を目指し2019年に設置した研究部門。今回の取り組みは、「価値交換工学」のテーマ研究「持続可能な消費・生産の実現に向けた製品・サービスシステムの利用:中古製品の消費価値」の一環として行われている。

【プレスリリース】
メルカリと東京大学、「メルカリ」の取引による温室効果ガスの削減貢献量を算出