株式会社digglueは3月23日、排出状況の見える化と再資源化を支援する製造業向けサービス「MateRe-Visualization」を開始した。

同サービスは、廃棄ゼロ社会を目指す資源循環DXプラットフォーム「MateRe(マテリ)」の第1弾となる。株式会社digglueが今回発表した内容は、以下のとおり。

2022年6月、同社はMateRe β版を公開後、賛同した複数の企業と共に資源循環における課題を特定した。その結果、「排出状況が把握できておらず、再資源化につなげることが困難である」ことがわかった。そこで、同社は資源循環の第一歩として排出物の見える化に取り組み、MateRe-Visualizationを開発した。

MateRe-Visualizationは、製造現場で排出される排出物(整形不良品やランナーなど)の情報をデジタルデータ化して排出状況を見える化する。同サービスの導入により、企業は以下を実現できる。

  1. 排出物情報の見える化・分析:企業はPCやタブレット端末から排出物情報を入力すると、廃棄物の発生情報「いつ・どこで・何が・どれだけ」がシステム上に表示される。見える化された排出状況を分析することで、影響の大きい工程や排出物などを特定し、効果的な改善施策を立案・推進できる
  2. リサイクル率向上・CO2排出量削減:これまで焼却もしくはサーマルリサイクルで処理していた排出物の中から、再資源化できる資源を特定し再資源化することで、製造現場のリサイクル率を向上させ、CO2排出量を削減できる
  3. 工数削減:これまで部署ごとに紙やエクセルで実施していた排出物管理をシステム上で一元化できる。月末の取りまとめもMateReで完結するため、排出物管理工数を削減できる
  4. レポートや法制度に対応:MateReシステム内の質問に回答すると、2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」で公表が義務付けられている項目を網羅したレポートを作成できる

今後、MateReは2つのシステムを展開する予定だ。企業が安心・安全なリサイクル材を安定調達できるシステム「MateRe-Procure」と、排出物にトレーサビリティ情報を付与することでリサイクル材の安全性や品質を保証し付加価値を高めるシステム「MateRe-Traceability」だ。

資源循環の促進には、製造業やリサイクル業など産業を越えた連携が不可欠で、そのカギとなるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)であると株式会社digglueはみている。同社は今後も、産業間・企業間の課題解決に貢献するべく、資源循環のDX実現に取り組んでいく意向だ。製造業やリサイクル業のDX・効率化・コスト削減を促進し、再資源化を支援する同サービスと、展開が予定されている2つのシステムの今後が期待される。

【プレスリリース】資源循環DXプラットフォーム第1弾となる製造業向けSaaS「MateRe-Visualization」をリリース
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*記事中の画像の出典:株式会社digglue